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女性の働き方、フェミニズムを学ぶ 上野千鶴子からの宿題

上野千鶴子 性別にとらわれていないと示したがる女たち

日本の性差別の実態に気づいているのに、「女とか男とかは関係ない」と思いたがっている

上野先生からの宿題とは?

 でも、意外なことに、こうした女性と歩み寄れないわけでもありません。強い女性ほどウィークネス・フォビアを持つ傾向がありますが、強い女性がずっと強くいられるかというとそうでもないからです。その人の母と娘の関係とか男性との関係などを事細かに聞いていけば、嫌な思いをしていないわけがありません。

 「私は自分を女だと意識して働いたことがありません」と言う女性役員がいたとしても、じっくりその人の話を聞いたら、必ず女性であるが故のつらい思いをしていると思います。でも、それを認めたくないだけです。それに「女だと意識してこなかった」というのは、自分の中の「女」を抑圧してきたということでもあるでしょう。

「『私は自分を女だと意識して働いたことがありません』と言う女性役員がいたとしても、じっくりその人の話を聞いたら、必ず女性であるが故のつらい思いをしていると思います」(写真はイメージ)
「『私は自分を女だと意識して働いたことがありません』と言う女性役員がいたとしても、じっくりその人の話を聞いたら、必ず女性であるが故のつらい思いをしていると思います」(写真はイメージ)

 「私がそういう目に遭ったのは、私の力が足りなかったからであって、女性だからではない」。プライドが高い人ほどそう感じます。エリート女性がフェミニストになりにくいのはそのせいです。その人は、たとえ自分が成功したら「これは私が手にした成功。女性だから得られた成功ではない」。失敗したら失敗したで、「これは私の失敗。女性だから失敗したわけではない」と解釈します。

 さて皆さん、最近、フェミニズムに興味を持つ女性が増えているように感じています。もっとフェミニズムを知りたいと思ったら、難しい本を読む前に、ぜひご自身の母親、祖母、曽祖母の話を聞いてみてください。これが私から皆さんへの宿題です。なぜなら私たちがやってきたことは、女性の経験の言語化・理論化であり、何より「私」から出発するというのが女性学・ジェンダー研究ですから

構成/小田舞子(日経xwoman編集部) 看板写真/徳永 彩(KiKi inc.) イメージ写真/鈴木愛子

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