ずんずんが書いた未来自分史

 前述のように、私はシンガポールで5年働いていました。今思えば、なぜ知り合いの一人もいない国に行ったのか、自分でもいまだに不思議なのですが、海外で働くという憧れを止められなかったのですね。

 そして当時、何を思ったかシンガポールで働く前に「5年後の自分がどうなりたいか」というメモを、手のひら大のノートに書きました。

 こんな感じです。

 『20XX年12月31日。私は職場で評価され、同僚とも信頼し合い、自分自身の仕事について誇りに思っている』。

 さらに、自分の望むルックス、人間関係、5年後の年収と貯金額まで書き込みました。今思えば、「なんでこんなこと書いてるの? はずかし……」といった気持ちなのですが、書いていた当時は本気。

 そして、5年後。仕事を辞め、帰国の引っ越し作業をしているときに、このノートを見つけたのです。不思議なことに、5年もの間一生懸命書いたこのノートの存在をすっかり忘れていました。

 そこに記されていたことを読んで、あまりのことにブルっと震えたことを今でもよく覚えています。