日本人の国内出生数が86万4000人となり、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回りました(厚生労働省が一昨年発表した2019年の人口動態統計の年間推計)。ただ、「少子化が問題なのは分かるけど、いろいろ怖くて、正直、出産に前向きになれない」――そんなdoors世代もたくさんいるのでは? そこで編集部では「いろいろ怖い」の中身を分解し、「お金」「出産」「子育て」の3つに分けてリアルな不安をテーマに座談会を開催! 各分野の専門家に同席してもらい、不安解消のための具体的なアドバイスをもらいました。今回は「子育て編」です。

前編 子どもを産んだらキャリアが中断? 今からできることは?
後編 怖くて産めません 自分の子どもをきちんと愛せますか? ←今回はここ

座談会参加者プロフィル

AさんIT企業広報の24歳
来年結婚予定の婚約者と現在同居中。

Bさんインターネット広告企業広報の27歳
昨年結婚したが、子どもができると失うものも多いのでは……? と子どもを持つことに二の足を踏み中。

CさんIT企業広報の28歳
3年前に結婚し、そろそろ子どもが欲しいと夫婦で話し合っているが、自分に子育てができるのか? という不安も。

アドバイスをくれるのは……東京成徳大学教授の田村節子さん
田村先生プロフィル……筑波大学大学院出身。博士(心理学)。3人の男の子を育てながら、長年、小中学校のスクールカウンセラーとして活動。カウンセリング活動の過程で開発した「石隈・田村式援助チームシート」は、全国の教育現場で活用されている。著書に『子どもにクソババアと言われたら』(教育出版)など。

自分はきちんと子どもを愛せるのか

日経doors編集部齋藤(以下、――) (上)では、子育てしながら働くことへの不安や、今後のキャリアとの向き合い方についてお話ししてもらいました。皆さんやはり子育てに対して漠然と「私にできるのかな?」という気持ちもあるようです。

Aさん 私は両親が幼少期に離婚したため母子家庭で育ちました。母は私が高校生の時に再婚したのですが、家庭環境がぐるぐる変化する中で、離婚も再婚も大変なんだなという印象を受けました。母は私に子どもを産んでほしい、孫の顔が見たいと切望しているのですが、私は結婚生活がうまくいくのか、そもそも自分の子どもを愛せるのだろうかという不安もあります。