出産にかかるお金、地域差はあるの?

Aさん 「産む病院によって出産費用は違うんですね。私は名古屋市出身なので、東京での出産や育児にかかるお金が、地元とどれくらい差があるのか気になります」

坂本さん 「保険診療であれば、差はほとんどないでしょう。先ほども話した通り、お産にかかる費用は病院ごとに違います。また、無痛分娩を選ぶと自然分娩よりも高くなるなど、出産のスタイルによっても費用は異なります。サービスや設備が充実した病院やクリニックは費用が高くなるので、比較するために自分で調べる必要があります。ただ、名古屋でも、費用は東京とさほど変わらないと思いますよ」

Cさん 「地域ごとに、出産にまつわる風習の違いはあるものでしょうか」

坂本さん 「そうですね。名古屋だと結婚式にお金をかける傾向が強いかもしれないですね。産後のお祝い返しなどでそういった地域性があるかもしれません。友人や親世代に事前に聞いておくと安心ですね。結婚と同様に、産後にお祝いをもらったら、『内祝い』としてお祝いをお返しする費用も必要です。さらに、お宮参りや七五三などの行事にどれだけこだわるかによっても、出費は変わってきます」

 ※お宮参りとは 赤ちゃんが生まれてから1か月後ぐらいに、神社などへ行き、健康祈念をするもの

産後にかかる、主なお金
産後にかかる、主なお金

Cさん 「妊娠しても働き続けたいと思っています。産休・育休に入ると、給料や手当などはどうなるのでしょうか? 収入がゼロになるのではと心配です」

産休中と育休中にお金がもらえるって本当?

坂本さん 健康保険に加入している会社員なら、産休中に給料の約3分の2をもらえる「出産手当金」が、雇用保険に加入している人は、育児休業中に給料の約3分の2をもらえる「育児休業給付金」が受け取れます。(正確には育児休業開始から180日目までは月給の67%、181日目以降は月給の50%)

 出産手当金を受け取るには、健康保険に加入していることが条件。育児休業給付金を受け取るには、育休に入る前の2年間に雇用保険に1年以上加入していることや育休中に休業前の8割以上の給料が出ないことなどの条件があり、給付期間は1歳未満の子どもがいる間だけです。ただし、申し込みをしたが、保育所に入れないなどの際は1歳6カ月または2歳まで受給できます。

―― 産休、育休中に収入がゼロにならないというのは安心ですよね。

ポイント3.産休・育休中は収入ゼロにならない!
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【産休中】健康保険から出産手当金(給料の約3分の2)がもらえる
【育休中】雇用保険から育児休業給付金(給料の約3分の2)がもらえる
「子どもを産む女性が増えてほしい」と自らの経験も交えながら、熱くアドバイスをする坂本さん
「子どもを産む女性が増えてほしい」と自らの経験も交えながら、熱くアドバイスをする坂本さん