日本人の国内出生数が86万4000人となり、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回りました(厚生労働省が昨年発表した2019年の人口動態統計の年間推計)。ただ、「少子化が問題なのは分かるけど、いろいろ怖くて、正直、出産に前向きになれない」――そんなdoors世代もたくさんいるのでは? そこで編集部では「いろいろ怖い」の中身を分解し、「お金」「出産」「子育て」の3つに分けてリアルな不安をテーマに座談会を開催! 各分野の専門家に同席してもらい、不安解消のための具体的なアドバイスをもらいました。今回は「お金編」の後半です。

(上)出産したくてもお金が不安
(下)子どもの教育費、いくらかかるの? ←今回はここ

座談会参加者プロフィル

Aさん都内ベンチャーIT企業の広報の32歳

「現在、彼なし。仕事中心の生活を送っていたが、最近プライベートをどうするか考えるように。将来結婚するのか、結婚して子どもを産むのか、そもそもシングルかも決めきれていない」

Bさん外資系企業日本支社マーケティングの28歳

「昨年から付き合い始めた彼がいる。でもまだ真剣には出産や子育てのことは考えていない」

Cさん商社営業アシスタントの26歳

「彼がいて、将来的には結婚して子どもが欲しい。出産や子育てにはいろいろお金かかることをニュースなどで見聞きしていて、漠然とした不安がある」

講師プロフィル

 1級FP技能士。女性誌やマネー誌でお金の記事を執筆。著書の「今さら聞けないお金の超基本」は20万部を突破。2児の母。第1子出産は30歳、第2子はなかなか授かれず、43歳で出産。自身の出産・子育て経験とFPの知見をベースに、日経doorsアカデミー「働く×産むのお金と制度」でもアドバイス。

日経doors編集部(以下、――) (上)の「私たちいろいろ怖くて産めません 出産したくてもお金が不安」では、妊娠から出産まで、いろいろな公的支援があることを教えてもらい、「怖くて産めない」という漠然とした不安が少し解消されました。でも、結婚から子育てまでのライフイベントを考えると、まだ何となく不安な気持ちが残ります。

出産前にいくら貯めておけばいい?

Bさん そもそも、出産前にどのくらい貯金があれば安心でしょうか?

坂本さん 前編「私たちいろいろ怖くて産めません 出産したくてもお金が不安」でも話したように、産休中は健康保険から、給料の約3分の2の出産手当金が出ます。育休中は、雇用保険から、給料の約3分の2をもらうことができる育児休業給付金が出ます。しかし、いずれも休暇に入る前の満額ではないので、貯金は必要です。

産休・育休中にもらえるお金(坂本さんのお話をもとに編集部で作成)
産休・育休中にもらえるお金(坂本さんのお話をもとに編集部で作成)