日本人の国内出生数が86万4000人となり、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回りました(厚生労働省が昨年発表した2019年の人口動態統計の年間推計)。ただ、「少子化が問題なのは分かるけど、いろいろ怖くて、正直、出産に前向きになれない」――そんなdoors世代もたくさんいるのでは? そこで編集部では「いろいろ怖い」の中身を分解し、「お金」「出産」「子育て」の3つに分けてリアルな不安をテーマに座談会を開催! 各分野の専門家に同席してもらい、不安解消のための具体的なアドバイスをもらいました。今回は「出産編」です。

座談会参加者プロフィル

AさんフリーランスのPR業の29歳
「最近結婚したばかり。子どもが欲しいと思っているが、フリーなので産休や育休がなく、出産が体に与える影響を知りたい」

Bさん人材派遣会社の広報の30歳
「一度離婚を経験したけれど、今は一緒に暮らしているパートナーがいる。結婚の話もしていて、出産も自分事に捉えている」

アドバイスをくれるのは…産婦人科医の高橋怜奈さん

東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。趣味はベリーダンス、ボクシング、バックパッカーの旅。2016年6月にボクシングのプロテストに合格をし、世界初の女医ボクサーとして活躍中。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。日経doorsの特集「女医11人が実践!ウェルネススキル」でも登場。

妊娠前にできる準備とは

日経doors編集部(以下、――) 日経doors編集部の齋藤有美です。私もいつかは子どもが欲しいなと思っていますが、まだまだ時間がある……と先延ばしにしています。妊娠や出産に対する不安が大き過ぎて、本当に子どもが欲しいのか、欲しくないのかまで考えてしまっているほど。今日は同じように妊娠や出産への不安を感じているdoors世代二人とアドバイザー役として産婦人科医、高橋怜奈さんをお呼びしました。今回はZoomでの座談会です!

座談会はZoomで実施。産婦人科医の高橋怜奈さん(左上)を囲んで、doors世代の3人が質問をぶつけました
座談会はZoomで実施。産婦人科医の高橋怜奈さん(左上)を囲んで、doors世代の3人が質問をぶつけました

―― では早速! 「妊娠のここが不安」ということをぶつけてみましょう! 皆さんは今、妊娠についてどんな不安がありますか?

Aさん 私自身は子どもが欲しいと思っています。妊娠を望んでいる場合、妊娠前の準備として、取っておいたほうがいい栄養などありますか? また、それは、妊娠を望むどのくらい前から始めるべきなのでしょうか。