私がN高を選んだ理由

 両親に相談すると「治安のよいところなら」と、すぐに賛成してくれました。母は留学経験があり、父も海外出張が多いので、異文化に触れることの大切さを知っていたのだと思います。

 こうして私は14歳でニュージーランドへ留学。約2年間、現地の学校で過ごしました。このときに感じたことや学んだことは、また次回以降お話しします。

 ニュージーランドのスクールを卒業後、帰国した私を待っていたのは、今後の進路問題。ニュージーランドで学ぶことの楽しさを知り、また学べる環境に身を置きたいと思っていましたが、「自分の興味のあることを勉強したい」という気持ちは変わりませんでした。

 保育や幼児教育、経営、ITなど学びたいことはたくさんありましたが、全日制の学校に入ってしまうと、日中はすべて授業に費やすことになります。

 学校のために1日を拘束されることに抵抗があった私は、母から通信制高校の存在を聞き、興味を持ちました。そこで、さまざまな学校を調べる中で出合ったのが「N高」です。

 N高は2016年に設立された通信制の高等学校。出版社のKADOKAWAグループの学校法人、角川ドワンゴ学園が運営し、これまでの教育システムや教育方針を変える「ネットの高校」としてスタートした学校です。授業はすべてオンラインで実施されますが、スクーリングは年5日ほどあり、テストもあるし成績もつきます。

 最初は「N高? なんだそれ?」と思ったのですが、文部科学省の高校の教育課程のほか、自分で選べる課外授業が豊富なことに興味を持ちました。必修科目以外は、自分で受けたい授業を選べることも魅力的でした。

 何より入学の決め手となったのは米国、スタンフォード大学への留学プログラムがあったこと。父からスタンフォード大学の評判は聞いていたので、ずっと行ってみたいと思っていたんです。留学には定員枠があり、全員が行けるわけではないけど「私にもチャンスがあるかも!」と思ったんです。こうして私は、第1期生としてN高に入学しました。

「N高の課外授業は座学ではなく体験型。課題についてみんなで話し合い、考えることで思考力が磨かれました」
「N高の課外授業は座学ではなく体験型。課題についてみんなで話し合い、考えることで思考力が磨かれました」