連載第3回では、冨樫さんがN高時代に経験した課外授業や英オックスフォード大、米スタンフォード大への短期留学で学んだことの他、卒業後、あえて大学へ進学しなかった理由について語ります。
NZから帰国後、自由に学べる環境を求めてN高へ進学
日経doors読者の皆さん、こんにちは。冨樫真凜です。
今回は、私がN高で学んだことや、短期留学での経験についてお話したいと思います。
16歳でニュージーランド留学から帰国した私は、より自由に学べる環境を求めて、通信制高校の角川ドワンゴ学園N高等学校に進学しました。通学の必要性がない分、授業以外の時間は自分のやりたいことに費やせると思ったからです。
N高は「ネットの高校」として知られており、基本的に授業はオンラインで行われています(年5日間のスクーリングは必須)。オンラインとはいっても、一方的に動画が流れてくるのではなく、Slackで先生や生徒と常にコミュニケーションを取りながら進めます。学校に行かないだけで、授業そのものは全日制の学校と変わりません。
N高は高校の教育課程の他、自分で選べる課外授業が豊富なことも特徴。私は、座学が向いていないタイプですし「将来は起業したい」と考えていたので、クリエーティブ系の課外授業にすごく興味がありました。
実際に参加したのは、保育園体験ツアーやハフポスト高校生エディターといった職業体験、地方の過疎が進む町の復興支援を考える政策立案ツアーなど。どの授業も、とても有意義で貴重な経験でした。特に印象に残っている政策立案ツアーでは、群馬県にある人口約2000人の村へ同級生やN高の職員と訪れ、みんなで「町おこし」についてさまざまな施策を考えました。
その中で私は「教育班」に入り、生徒数が1学年数人の小学校における教育方法の立案を担当し、ITを使った先進的な取り組みを提案。それまでの過程では、さまざまな社会人や大学生と対話したり、チームメンバーと議論したりして、学びの多い時間を過ごすことができました。
生徒数が少ない分、小学校側にも柔軟性があり、実験的な施策を提案することができたので、すごく面白かったし、ためになりました。
将来、自分で事業を興したいと思っていた私にとっては、全日制の学校で1日中机にかじりついて勉強するよりもN高での課外授業のほうが、学びが多かったと思っています。