NZ留学、N高で「何をやりたいか」がクリアになった

 ニュージーランドでは、学業のほか、一般家庭でベビーシッターをしたり、保育施設を訪問したりして、現地の幼児教育のあり方も学びました。特に、大人の家庭を優先した働き方や、地域で助け合うオープンな子育てを見たときは、大きなカルチャーショックを受けましたね。

 幼児教育そのものも、子ども自身が自分で時間割を作り、個人で取り組むなど、自主性と個性を尊重しているように感じられました。この教育方法は、ニュージーランドの小、中、高、大の教育課程でも一貫しています。

ニュージーランド留学時代、現地でベビーシッターを経験。「地域の人が一丸となって子育てをサポートしている姿を見て、温かい気持ちになりました」
ニュージーランド留学時代、現地でベビーシッターを経験。「地域の人が一丸となって子育てをサポートしている姿を見て、温かい気持ちになりました」

 その後、N高生になり、自分で幼児教育の専門的な勉強を始めると、幼児教育も1つではなく、例えばモンテッソーリ教育やシュタイナー教育などさまざまなメソッドがあることを知りました。

 「やっぱり、幼児教育って面白い、子どもの可能性を探っていくのは楽しい!」と改めて感じると同時に、ボランティア活動などで子育て中のママ、パパからリアルな悩みや課題をヒアリングするうちに、この分野で事業を興したいと考えるようになったんです。

 保育士として現場で働くことにも憧れはあったのですが、「自分は何をやりたいか」をじっくり考えたところ、私は「子育てしやすい社会の仕組みづくり」をしたいんだと気づきました。

 幼児教育では、まだ自分で学ぶ環境を選べない子どもたちが、主体的に学べる環境を整えること、育児分野では、親や保護者の目線に立ち、悩みを解消したり、子育てをサポートしたりする取り組みを社会に提案すること、この2つを軸に起業しようと決意しました。

 N高卒業後、私は「育児の社会化」をテーマに、本格的に起業に向け動き始めました。ずっと注目していたべビテックは、こうした取り組みを実現させるための手段の一つなんです。