連載第4回では、現在、20歳の冨樫さんが幼児教育や育児、「BabyTech(ベビテック)」に関心を持った理由と、日本の子育ての現状について感じていることを語ってくれました。

近所の赤ちゃんと過ごした幼少期が原体験

 日経doors読者の皆さん、こんにちは。冨樫真凜です。

 昨年、角川ドワンゴ学園N高等学校を卒業した私は、現在、ずっとやりたかった「BabyTech(ベビテック)」分野での事業開発を進めています

 べビテックとは、妊活、妊娠、出産、産後の母親とその家族、新生児から未就学児の子どもに向けたITやIoTなどを活用した製品やサービスの総称です。具体的には、妊活や妊娠、育児をサポートするアプリやITサービスなどがあり、近年、日本でも注目を集めるようになりました

 そもそも、自分自身がまだ結婚も出産も経験していないのに、なぜべビテック分野に興味を持ったのか。今回はここからお伝えしたいと思います。

 私が育児や幼児教育に関心を持つようになった原体験は、幼少期を過ごした大阪での暮らしにあります。2歳から7歳頃まで、父の仕事の都合で大阪の集合住宅に住んでいたとき、近隣には小さな子どもがいる家庭がたくさんありました。

 私も成長するとともに近所の幼児と遊んだり、赤ちゃんの面倒を見たりする機会が増え、「子どもの世話をするのが楽しいな」と思うようになりました。自分から赤ちゃんのいる家庭に遊びに行くことも多く、地域のコミュニティーの中で、皆で育児をしているような感覚がありました

 いつも身近に子どもや赤ちゃんがいる環境で育ってきたので、自然と育児や幼児教育分野に興味が湧いたのだと思います。

 それ以来、漠然と「大人になったら、子どもに関わる仕事をしたい」と思いながら、小、中学時代を過ごしてきました。その中で転機となったのは、14歳でニュージーランドへ留学したとき。日本との幼児教育の違いを実感し、少しずつ幼児教育や育児分野の中で自分は何をしたいかが見えてくるようになりました