新連載「20代でやめたこと、始めたこと 30代でやめたこと、始めたこと」では、活躍する先輩世代の女性に20代、30代をどう過ごしたか、何に壁を感じ、どう乗り越えたか、仕事への達成感を抱いたのはどんなときだったのか、やめてよかったと思っていること、始めてよかったと感じていることなどを、根掘り葉掘り伺います。第1回は家計簿アプリを運営するZaim(ザイム)代表の閑歳孝子さんです。

(上) 家計簿アプリZaim閑歳孝子 20代安定捨て転職
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誰の判断も仰がず、自分が本当にいいと思うものを作ってみたい

「せっかくプログラミングを学んで、作りたいと思う物を一通り作れるようになったのだから、一人でサービスを作ってみたいと思いました」(閑歳さん)
「せっかくプログラミングを学んで、作りたいと思う物を一通り作れるようになったのだから、一人でサービスを作ってみたいと思いました」(閑歳さん)

 ゼロから物を作るのが好きな私は、また自分一人で新しいサービスを作ってみたいと思うようになりました。この辺で、他の誰かの判断を仰がなくても、自分が本当にいいと思うものを一つ作ってみよう、と。「お金を稼ごう」ではなく、作品を作るのに似た感覚でした。

 私はこういうとき、チームでやるより、一人でやりたいと思ってしまうタイプ。なぜなら実際に手を動かしてみないと分からないことが、私の場合は多いから。人の意見を聞きすぎると、作っている物の個性がなくなってしまうことがあります。周りに遠慮して自分の理想を言い出せなかったり、最後にやり直しをしてしまったりすることも。でも、一人でやればそんな心配はありません。自分が頑張ればいいだけです。

 何をやろうか考えたときに思いついたのが「お金」というテーマです。紙やエクセルの家計簿を付けた経験がありましたし、「お金」から興味を失うことは一生涯なさそうだ、と。

 あと、できるだけ間口の広いサービスをつくりたいという思いもありました。あまりITに詳しいわけでもない、自分の母親や姉のような人たちが、将来スマホで使いそうなアプリってなんだろうと考えたところ、SNS、写真アプリ、家計簿アプリぐらいかな、と。そう考えて、家計簿アプリを開発することにしました。