宝塚歌劇団に15年以上在籍し、トップスターとして多くのファンを魅了してきた明日海りおさん。退団後は、舞台を中心に、ドラマや声優、バラエティー番組などで活躍しています。明日海さんが20代、30代で始めたこと、やめたことについて聞きました。
【前編】元宝塚・明日海りお 退団時「やりきった」はなく寂しい ←今回はここ
【後編】元宝塚・明日海りお 分かってほしいと思う自分嫌だった
初めて触れた「ショー」に衝撃
初めて宝塚のことを知ったのは、中学3年生の頃でした。友人がビデオを貸してくれて、その1本を見ただけで、すっかり魅了されてしまったんです。
クラシックバレエを習っていたので、それまでに見たことがある舞台はバレエがほとんどでした。宝塚の舞台は、それとは全く違う「ショー」なんですよね。華やかな衣装、電飾などを使った豪華な舞台、曲が次から次へと変わっていって、スターさんが入れ代わり立ち代わり出てきて、女性が男役を演じていて……。「こんな世界があるんだ」と、ものすごい衝撃を受けました。
その時に見たのは、真琴つばささん主演の「BLUE・MOON・BLUE」という作品でした。もう、すっかり虜(とりこ)になってしまって、次の日から宝塚のことが頭から離れないんです。「絶対宝塚に入りたい!」と思うようになりました。
もう中学3年生だったので、宝塚音楽学校を受験するまで時間がありませんでした。クラシックバレエを習っていましたが、歌は全く経験がなかったので急いで習いに行きました。無事に宝塚音楽学校に入学できたものの、在学中も「声で表現する」ことには本当に苦労しました。