女性リーダー国家は、「誰もが生きやすい国」

 私は2019年、世界一周27カ国、幸福度ランキングの高い国をメインに旅をしました。今回驚いたのは、女性が首長を務める「女性リーダー国家」として名前の挙げられる国のほとんどが、幸福先進国であることです。つまり、幸福先進国の女性リーダー比率が高いのです(参考:フィンランド1位、デンマーク2位、アイスランド4位、ノルウェー5位、ニュージーランド8位、ドイツ17位、台湾25位/東アジア1位 ※カッコ内は世界幸福度調査2020/国連調べの数字)。

 では、これらの幸福先進国は、国家としてどのような特徴があるのでしょう。それは、「多様性を重んじる、誰もが生きやすい国」といえます。そして、女性リーダーは、その「多様性国家」の象徴だと感じます。そんな国でないと、これまで地位が低いとされていた女性はリーダーにはなれないでしょう。また、これらの国は、手厚い社会福祉や教育制度が特徴的です。

 海外訪問時、フィンランドやデンマーク、スウェーデンなどの北欧やオランダでは、女性は「この国では、何も諦める必要はないのよ」と言い、イキイキと楽しそうに生活する姿をたくさん見ました。また、多くの老夫婦が元気に街を歩く姿や、地下鉄や街中でベビーカーを押す男性や女性の姿を見るのも当たり前でした。また、孤児になった子どもや、仕事を無くした大人、囚人など、社会的には弱者とされる人に対しての政策が徹底されているのにも驚きました。

デンマークの自由の象徴ともいえるクリスチャニア自治区にて。「フリー・タウン」と呼ばれ、どんな人も差別なく受け入れている
デンマークの自由の象徴ともいえるクリスチャニア自治区にて。「フリー・タウン」と呼ばれ、どんな人も差別なく受け入れている