不安はネガティブ情報を集めたがる

 暗闇で猛獣のうなり声が聞こえたような気がした。声の方向を見たら何かが動いた。仲間かもしれない、風かもしれない、しかし、楽観は禁物です。声の正体は猛獣だ、という前提で見ないと命を失うかもしれないからです。だから、不安は情報を収集するときに、その実態はさておき、「よりネガティブな情報を選択しようとする」という特性を持っています。

 不安は行動を促す感情ですから、「自分のできること」を何かしないと安心できません。マスクを探す、買い占めに走る。本当の情報は隠されているのではないかと思い始め、噂が絶えず流れ、SNSから目が離せなくなる場合もあります。

「何を信じていいかわからない」という気持ちになったら、ネガティブ方向に傾いたバランスを立て直してみましょう。「待てよ、反対の情報はないかな?」と探してみるのです。今はどうしても感情が不安情報ばかり集めたがる、と知ったうえで、「肉も魚も野菜も食べよう」という感覚でバランスを意識。不安視も、楽観視も、両方食べておくことで、拡大しそうな不安を弱めるのです。危機のときにはバランス感覚がとても重要です。誰も正解がわからない今、信頼する媒体、人物をあなた自身で選び、「当面はこの情報を定点観測することにしよう」と、情報源を絞り込むのも有効です。

信頼する媒体、人物をあなた自身で選び、「当面はこの情報を定点観測することにしよう」と、情報源を絞り込むのも有効です
信頼する媒体、人物をあなた自身で選び、「当面はこの情報を定点観測することにしよう」と、情報源を絞り込むのも有効です

ルール1 ◆ネガティブ、ポジティブ、両方の情報を得る

ネガティブになったらポジティブ情報も集める。気持ちのどっしりしている人と連絡を取り合ってみよう