今回のコロナ禍で最も打撃を受けている産業の一つが、旅行業界。doors世代のリーダー・楽天トラベルの星佑貴子さんに、苦境の中で生まれた取り組みの輪や旅行ニーズの変化について話を聞きました。

上 楽天トラベル30代リーダー 前年比予約9割減から巻き返し ←今回はここ
下 楽天トラベル星佑貴子 変化に負けず環境と共存していく

これまでにない大打撃 手を取り合い立ち向かう

 東日本大震災や西日本豪雨など、観光・宿泊業界はこれまでにも自然災害に大きな影響を受け、その都度、宿泊施設の皆様と共に乗り越えてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、これまでにない大打撃。楽天トラベルでは、営業コンサルタントが全国の宿泊施設と密にコミュニケーションをとりながら宿泊プラン作りや販売のサポートを行っていますが、出張・観光需要共に厳しい事態に直面し、私がこの仕事に携わった過去13年間で最大級の影響を受けています。

 私は現在、近畿・中四国エリア統括として15府県の営業コンサルタント約60人のマネジメントをしていますが、3月頃を境に業界の状況は大きく変化しました。3月末以降の外出自粛の影響で出張・観光共に各府県内外の需要が大幅に減ってしまったのです。楽天トラベル全体の予約取扱高が、前年比で最大9割まで落ち込む日もありました。

 異業種から転職後、旅行業に関わってきましたが、緊急事態宣言に伴い、旅行を訴求するための発信ができない状態は初めての経験。今も葛藤は付きまとっていますが、不安を感じているだけでは仕方がありません。一緒に働く営業コンサルタントと共に「今、私たちにできること」に意識を向け一歩ずつ行動を起こしています