コロナ禍の緊急事態宣言下、皆さんはいったいどのような働き方をしていたのでしょうか。今回日経doorsでは、5月に日本生産性本部が行った「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」に注目しました。調査を行った上席研究員・柿岡明さんに、20~30代女性を中心にした人々がコロナ禍でどのように働き方を変えたかをインタビューしました。

【実施概要】
調査対象:20歳以上の国内の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者などを除く)1100人。クロス・マーケティングのモニターを利用。総務省「労働力調査」の結果に基づいて、性・年代別にサンプルを割り当てて回収。
調査期間:2020年5月11日(月)~13日(水)

「在宅勤務で効率が下がった」66.2%

日経doors編集部(以後、――) 今回の調査では、在宅勤務により効率が下がったと回答した人が66.2%と過半数となっています。

柿岡さん(以下、柿岡) はい、この数字を低いと見るか、高いと見るかはさておき、まず私たちが意識しなくてはいけないのは、そもそも在宅勤務ができている人が、働く人全体の3割程度にとどまっているという実態です。

―― 日経doorsが4月末に行った読者調査では、回答者193人中128人(66.3%)が在宅勤務をしていたことが分かっています。

柿岡 日経doors読者の皆さんには、比較的恵まれた状況に置かれている人が多いのでしょう。

柿岡 今回、日本生産性本部が行った調査では、緊急事態宣言が出された後の働き方の変化について聞いたところ、「特にない」と回答した人が40.7%となりました。

 柔軟な働き方の実施状況を細かく見ると、「自宅での勤務」が29%、「サテライトオフィス等での勤務」が3.2%、「モバイルワーク」が1.7%。この3つがいわゆるリモートワークを実施している人が選ぶ項目です。

 これは複数回答可能な質問だったので、その回答の重複分を除いた数が、冒頭の「自宅での勤務で効率が上がったか」に回答した319人。全回答者数が1100人ですから、割合にすると約3割です。この結果から、世間一般的には、約3割しかリモートワークができていなかったことが分かります。