前編では堀江さんにコロナ禍での影響や新規事業を始めるきっかけなどについて聞きました。後編では新規事業の狙い、フードデリバリー事業から撤退した過去、doors世代が磨くべきスキルも伺いました。

前編 クラシル堀江裕介社長 ネットスーパー事業にかける思い
後編 クラシル 堀江社長 10~20年戦う覚悟はできている ←今回はここ

ネットスーパーでの注文は複雑

日経doors編集部(以下、――) クラシルはネットスーパー事業に参入されます。既存のネットスーパーとはITを活用して、差別化を図ると。

堀江裕介さん(以下、堀江) そうですね。実は料理とはとても複雑な作業なんです。例えば夕飯を作るときに、「今日は何を食べようか」と献立を考えてから、ネットスーパーに注文します。しかも配送料を安くするためにはある程度の量を発注しなければならず、1週間くらいの献立をまとめて考えなければならない。つまり「注文する人が献立から食材まで考えて、発注する」という複雑な工程が求められるんです。ネットで本を買うのとは全然違いますよね。

 このことを解決する策がないまま長い時間がたってきました。そこで僕らはお客さんがいかに簡単で短時間に注文できるか、複雑化した意思決定を省略化できるかをやっていきたい。

「いかにシステムを使って、僕らが解決できることをしていけるのかが勝負」と堀江さん
「いかにシステムを使って、僕らが解決できることをしていけるのかが勝負」と堀江さん