このコロナ禍で私たちの働き方は大きく変わりました。『転職の思考法』著者で就活クチコミサイト「ONE CAREER」を運営するワンキャリアの取締役の北野唯我さんは8月に『これからの生き方。』(世界文化社)を出版。北野さんがコロナ禍で感じたこと、考えたこと、doors世代に伝えたいことを聞きました。さらに、今後資本主義社会で生き抜くためにやるべきことやどういった人材が転職市場で求められるのかも詳しく教えてもらいました。

前編 北野唯我 「楽しくない仕事」を40年続けるのはつらい
後編 北野唯我 資本主義のラットレースから抜け出す方法とは ←今回はここ

「生産する娯楽」が仕事になる

日経doors編集部(以下、――) 自分の好きなこと、価値観が分かってきたらぜひ仕事に生かしていきたいと思う人も多いと思います。ただそのやり方が分からないという声も聞こえてきます。

北野唯我さん(以下、北野) 好きなことをいきなり仕事にするのはとても難しいと思います。まずは趣味などでスタートするのがいいのではと思います。ただ、趣味としてお金を使って消費してばかりだと、決して仕事にはつながらないし、自分のスキルや人脈といった「資本」が増えることがないんです。

 例えば、2000円のすしと2万円のすしを食べたときに、2万円のすしを食べたからといっても自分の資本が10倍回復するわけではないですよね。

―― 「消費」する娯楽活動を続けていたら、自分の資本はいつまでも増えないというわけですね。