2020年春以降は新型コロナの影響で、犯罪の傾向にも変化が表れています。満員電車での通勤が減った代わりに自宅で過ごす時間が増え、宅配でのやりとりが増えた人も多いでしょう。一人暮らし女性の場合、宅配の受け渡し一つとっても不安を感じることもあるはずです。コロナ禍で増えたネット通販などに絡む犯罪や、女性が巻き込まれやすい犯罪を防ぐための注意点を「セコム 女性の安全委員会」の仁村園子さんに教えてもらいました。

前編 一人暮らし女性の防犯対策 日常の危険から身を守る方法
後編 一人暮らし女性 犯罪被害リスクを減らす11のポイント ←今回はここ

ステイホームで増えたネット購入時の注意点

 コロナで外出自粛やテレワークが増え、出歩くのを控えてネットショッピングを利用している人も多いでしょう。通販サイトやネットショッピングを利用するときや荷物の受取時に気を付ける点をまとめました。

【購入するときの注意点】

 ネットショッピング絡みで起きる犯罪には、フィッシング詐欺やクレジットカード情報の詐取などがあります。購入時や決済時だけでなく商品を探す時点から注意が必要です。

・電車の中やカフェなどでクレジット決済をしない

 周りに人がいる状況でクレジットカードを出してカード番号や暗証番号を入力するのは危険。Wi-Fiに自動接続する設定になっていると、フリーWi-Fiにつながっている状態で住所や携帯番号、カード番号などを入力することになり、情報漏洩のリスクもある。購入・決済情報入力などは自宅で行おう。

・偽サイトにアクセスしないよう細心の注意を

 ネット通販や量販店など大手企業のサイトでも、偽サイトによる被害がニュースになっている。公式サイトそっくりの偽サイトに誘導して個人情報を入力させるのが狙いなので、怪しいサイトにアクセスしないことが一番の防衛になる。

(1)URLの頭の部分をチェックする。httpsの最後の「s」はsecurityを意味する。httpsに対応するサーバーではデータを暗号化して通信しているため安全にやりとりできる。それに対してhttpは暗号化されていないため通信内容が改ざんされたり情報を盗まれたりするリスクがある

(2)店舗やブランド名で検索してヒットしたサイトでも、偽サイトというケースもある。よく使う通販サイトは検索から入らずブックマークし、そこから入るようにすると安心

(3)初めて使うサイトは口コミなどをチェックする。利用者(口コミ)が多く、悪い評判が少ないかどうかを確認しよう

(4)料金や送料などが破格のサイトは要注意。安く買えるサイトを探すのは構わないが、安すぎる場合は「怪しいかも」という目でよくチェックしてみて

(5)「荷物のお届け通知」など通販サイトや宅配業者などを装ったメールやショートメールもある。知っている会社や宅配業者でも、いつもと同じドメインかどうかをチェック。メールを開いただけでも相手に開封状況が分かってしまうこともあるので、心当たりのないメールは開かずに削除しよう
2020年年末に頻繁に送られていた、個人情報を抜き取る意図のフィッシング詐欺メール
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