感動や役立つ文章をつくるのがライターの使命

小川 今、文章力を身に付けるためにやっていることはありますか?

A とにかく本を読んでいます。『考える技術、書く技術』(ダイヤモンド社)はライティングの勉強を始めたときにおすすめしてもらって、最初に買いました。ライティングに限らず、月に10冊くらいは本を読み、まねできるところを探しています。

 小川さんの『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)も読みました。手元に置いて、困ったときに読みたいと思っています。中でも2番目に大切なルールとして紹介されていた、「伝わる文章は型がある」がとても良かったです。構成を考えるのが苦手なので、さっそくまねしました。

小川  副業ライターをやっていて、悩んでいることはありますか。

A いろいろあります(笑)。いちばんは、本業の仕事とライターの仕事を両立するために時間をどう使うかですね。時間の使い方って難しいですよね。

小川 難しいです。私も試行錯誤しています。今は、朝、やるべきことをメモ書きして、時間配分を考えてから、仕事に取り掛かるようにしています。

 原稿を書くときは、「ポモドーロ・テクニック」を使うことが多いです。簡単にいえば、「25分仕事をして5分休憩し、また25分仕事をして5分仕事をする」方法で、イタリア人のフランチェスコ・シリロさんが考えた時間術です。私は集中力がないのですが、25分なら、なんとか保てます。興味があれば、書籍にもなっていますので、参考になさってください。

A タスクの書き出しと、ポモドーロ・テクニックですね。私も集中力がなくて悩んでいたのですが、スマホのタイマー機能を使ってチャレンジしてみます。小川さんはライター講座も開催していると伺いました。いろいろな方の文章を読むことが多いと思いますが、プロの視点から見る「いい原稿」ってなんだと思いますか?

小川 読み終わった後に、感動や役立つことが残る原稿です。自分自身も、感動や役立つことが残る原稿を書きたいと思っています。

A 感動や役立つことを読んでいただいた方に残すのがこの仕事の使命かもしれませんね。

 それでいうと、小川さんの本の「守る言葉を使っていきたい」というのがとても心に残っています。今までは、調べたことを文章にまとめて、誰かに読んでもらうということが楽しくて気づいたら副業になっていたという気持ちでやっていましたが、この記事を書いた先、誰がどんなことを思うのか、を考えていきたいです。

小川 うれしいです。ぜひ、これからもライターとしての実績を積んでいってくださいね。

取材・文/小川真理子 写真/PIXTA

小川真理子(おがわ・まりこ)
株式会社文道取締役 「クロロス」のメンバー 日本映画ペンクラブ会員。
小川真理子(おがわ・まりこ) 日本女子大学文学部教育学科卒業。編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。その後、フリーランスとして、大手広告代理店の関連会社にて企業のウェブサイトのコンテンツ制作に関わり、仕事の幅を広げる。 現在はビジネス書や実用書、企業をクライアントとするPR誌などの編集・執筆に携わる。子ども、市井の人、イケメン俳優、文化人など、インタビューの実績は数知れず。得意なジャンルは「生活」全般、自己啓発など。 著書に 『 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP/共著)、自ら企画編集執筆に携わった本に『親が倒れたときに読む本』(枻(えい)出版社)がある。近年は、ライティング講座にも力を注ぐ。