新型コロナウイルスへの不安やテレワークなど生活リズムの変化で、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりしたという人もいるでしょう。よい眠りを手に入れてスッキリ目覚め、日中の時間を快適に過ごすためのポイントを、東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科准教授の岡島義(おかじま・いさ)さんに伺いました。

前編 コロナ不安やテレワーク、夜眠れないときの対処法 ←今回はここ
後編 コロナ不眠対処法 眠るための体作り

コロナのせいで眠りの質が低下した人も

 新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になったり休みが増えたりすると、生活リズムが狂いがちになりますよね。仕事とプライベートの境目がつきづらくなり、ストレスや不安を抱えている人もいるでしょう。睡眠は健康の要ですが、身体的にも精神的にもふだんの状態が崩れて「よく眠れない」「眠りの質が落ちた」と感じることはありませんか?

 東京家政大学准教授・岡島義さんは心理学的な面から睡眠へのアプローチを研究し、カウンセリングやアドバイスを行っています。「私の元に相談に来る人の中には、外出自粛の長期化に伴って通常とは異なる生活リズムが続き、睡眠覚醒リズムが乱れている人が多いようです。具体的には

・寝付きが悪くなった
・途中で何度も目が覚めてしまう
・よく寝た感じがしない
・朝早く起きられなくなった
・昼夜逆転の生活になってしまった

といった相談が増えています」(岡島さん)。

 岡島さんがカウンセリングで行っているのは、認知行動療法に基づくアドバイス。不眠が続くことで癖になってしまった生活習慣や緊張感、考え方などを明らかにして修正し、眠りの質を高める手法です。岡島さんは「不安や悩みを抱えていて眠れないとしても、まずは睡眠リズムを整えることが大切。悩んでいても、いろいろ考えたくても、眠ってしまうカラダをつくりましょう」と助言します。