緊急事態宣言後も引き続きテレワークという人も多いはず。自宅で過ごす時間が増えているからこそ、家での時間を充実させて、おいしい物を作ったり、食べたりしたいという要望も。そこで日経トレンディ編集部が厳選した巣ごもり生活を充実さえる便利調理家電・グッズを紹介します。

上 巣ごもり生活を彩る便利調理家電・グッズ
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 テレワークの拡大で、必然的に自宅で食事する回数が増えるアフターコロナ時代。テークアウトやデリバリーも楽しいが、長期的な視点に立つと自炊が一番コスト安だ。幸い調理家電が年々進化しており、自炊の手間を軽減し、しかもおいしい料理を確実に楽しみやすくなっている。

 今のタイミングでぜひ手に入れたいのは、「電気調理鍋」と「低温調理器」の2種類だ。いずれも食材をセットしてボタンを押すだけで料理が完成する点で共通している。正確な温度制御ができるので、失敗する可能性が少ないのもメリットだ。

 火を使わない安心感も手伝って、ここに来て導入する家庭が増えている。電気調理鍋の売れ筋製品「ヘルシオ ホットクック」(シャープ)の場合、発売当初の2015年度の年間販売台数は3万台だったが、2019年度には約10万台へと拡大。1~2人世帯が全体の33%を占めるなど裾野を広げている。

 外出自粛要請の影響で、ここ数カ月で需要はさらに増えている。低温調理器の代表的な製品「BONIQ」シリーズ(葉山社中)は、今年3~4月に前年同期比9割増と売り上げが拡大。自社運営のレシピサイトも過去最高の月間170万PV(ページビュー)を達成し、購入者の利用頻度も増えている。

センサーで鍋の中を常時監視

 電気調理鍋の魅力は、プリセットされたプログラムが、レシピに従って火加減をコントロールしながら全自動で調理してくれる点にある。決められた食材を調達してカットして内鍋に投入するだけで出来上がる“ほったらかし料理”が可能になる。多くの製品は圧力方式を採用している。

 ヘルシオ ホットクックの場合は、食材に含まれる水分を生かす「無水調理」を再現しており、野菜の甘みを引き出せる工夫がある。鍋下部にある温度センサーと上部の蒸気センサーで内鍋内の様子を常時監視して温度を微調整するので、焦げ付きの恐れも少ない。

 ツメのような形をした「まぜ技ユニット」は、内鍋の中を適時かき混ぜてくれる部品。負荷センサーが内蔵されており、食材の量や軟らかさに応じて最適な回転数で回る仕組みだ。

 もう一つの低温調理器は、設定した温度に水を沸かし、その温度を一定時間保ち続ける棒状の調理家電である。水を張った鍋に入れて使う。下ごしらえ済みの食材をフリーザーバッグに入れて密封状態にして、目標温度に達したら鍋に沈める。湯せんすることでフリーザーバッグ内の食材の中までむらなく温められるのがメリットだ。時間になったら取り出す。後はソースを絡めるなど仕上げれば料理が出来上がる。

 名称に“低温”と付く理由は、「65度」「78度」など沸点以下の温度にピンポイントで設定できるからである。食材やレシピごとに最適な温度は異なるので、食中毒対策に配慮しつつ、狙った温度で“芯”まで確実に火入れできる点がこの製品の大きな魅力だ。

 低温調理は比較的時間がかかるので、自宅に長時間いる今だからこそ使いこなしがいがあるといえよう。