日本のジェンダーギャップ指数の結果に毎年落胆し、日常で目の前に感じている小さな男女格差にも気持ちが沈みがちになる一方で、「女性であること」をポジティブに表現したり、新しい事業につなげたりしながら、積極的で新しい価値観をつくり出している人やプロジェクト、プロダクトは、どんどん増えている。「私たちは、女性であることに、もっとポジティブになっていい」――そんな思いで立ち上げた連載「ポジティブフェム」。第2回では、2020年8月にテレビ東京で放送された「生理CAMP2020」の仕掛け人でテレビ東京プロデューサーの工藤里紗さんに話を聞いた。

前編 工藤里紗 「生理CAMP」仕掛け人 「しんどい」って言っていい ←今回はここ
後編 工藤里紗 誰かの「生きづらさ」を理解し合える社会に

生理について話せないのはなぜ?

 2020年8月、テレビ東京において「生理」をテーマにした特番「生理CAMP2020」が放送され、11月にはオンラインイベントが開催された。バービーさん、森三中の黒沢かずこさんやゆきぽよさん、りゅうちぇるさん、SHELLYさん、厚切りジェイソンさん、産婦人科医の稲葉可奈子さんらが出演。生理の「あるある」やタンポンの吸水力を競う「タンポン選手権」、海外の生理用品の紹介など、生理についてオープンに語った。

 この「生理CAMP2020」は平日深夜、30分間の放送にもかかわらず、Twitterにトレンド入りし、後日テレビ東京の公式Youtubeチャンネルで配信されると、再生数は100万回を突破。普段は人前で話しにくい生理をテーマにした番組は、大きな反響を呼んだ

 同番組の仕掛け人で、テレビ東京のプロデューサーとして活躍する工藤里紗さんは、「放送終了後、性別や年代を問わず、視聴者から多くの意見が届きました。多くの女性が生理について悩んでいるんだと改めて実感しましたし、男性から反応があったのもうれしかったです」と話す。

 工藤さんが、生理をテーマに番組を作ろうと思ったのは、社会において生理がタブー視されていることに、長い間疑問を抱いていたからだった。