日本のジェンダーギャップ指数の結果に毎年落胆し、日常で目の前に感じている小さな男女格差にも気持ちが沈みがちになる一方で、「女性であること」をポジティブに表現したり、新しい事業につなげたりしながら、積極的で新しい価値観をつくり出している人やプロジェクト、プロダクトは、どんどん増えている。「私たちは、女性であることに、もっとポジティブになっていい」――そんな思いで立ち上げた連載「ポジティブフェム」。第4回は、日本国内のフェムテック先進企業として注目を集めるfermata(フェルマータ)の共同創業者で現CCOの中村寛子さんに話を聞いた。

前編 fermata中村寛子 フェムテック先駆けとして注目 ←今回はここ
後編 fermata中村寛子 フェムテック流行語にしたくない

自分の健康課題に気付いてほしい

 2019年の設立以来、日本国内におけるフェムテックの先進企業として注目を集めているfermata(フェルマータ)。フェムテック製品専門のECショップと実店舗「New Stand Tokyo」を東京の乃木坂で運営するほか、企業へのコンサルティング事業も展開している。

 同社の共同創業者で現CCOの中村寛子さんは、「fermataとしては、今、生物学的女性の心身にまつわる課題を洗い出している段階。フェムテックの本質が社会に浸透するのはまだまだこれからだと感じています」と話す。

fermataの共同創業者で、現CCOの中村寛子さん。「生理日の選択肢は吸水ショーツや月経カップなど、多様に広がっています」
fermataの共同創業者で、現CCOの中村寛子さん。「生理日の選択肢は吸水ショーツや月経カップなど、多様に広がっています」

 「長い間、生物学的女性の健康課題はタブー視されてきました。今、見えている問題は、氷山の一角に過ぎません。店頭でお客様と話していると、多くの方が自分自身の悩みに気付いていないと感じられます。例えば、生理痛やPMSなども『当たり前』『仕方がない』と受け入れてしまっている印象。生理現象だからと我慢せずに、自分の健康課題に気付いてもらいたい。店舗やフェムテック製品を通じて、私たちがそのきっかけになれればと思います」