メンタルケアが必要な人により広くアプローチできる手法の1つとして、SNSを活用した情報発信に力を入れる臨床心理士のみたらし加奈さん。私生活では、同性パートナーである美樹さんとの等身大の暮らしを発信するYouTubeチャンネルを開設。登録者数は4万7000人に上ります(2021年4月末時点)。今回は、日本の憲法では認められていない同性婚をテーマに、社会からの理解が得られにくい同性カップルのリアルについて語ります。

 美樹と出会う23歳までは、「男性は立てるもの」「女性は出過ぎず、かわいげを持つもの」というジェンダーロール意識が強く、パートナーシップに関しても、「親の期待に応えたい」という気持ちの強かった時期がありました。

 当時の私にとって、「ひとり立ちをする」という意味は、誰もが認めてくれる異性の伴侶を見つけ、経済的に困らない生活を送ることで、家族に心配をさせないということ。それが間違いとは言えませんが、私にとっての「自立」の意味を履き違えていました。

 今、私が考えている自立の定義は、自分一人で生きていけること。これはあくまで私自身の話ですが、例えば自分で生きていくためのお金を稼ぎ、お金の管理をして、自分の出来る範囲で社会に適応しながら生きていくことだと思っています。

「『自立が100%素晴らしい』ことではない。でも、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分の力で幸せをつかみたいと思っています」
「『自立が100%素晴らしい』ことではない。でも、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分の力で幸せをつかみたいと思っています」