同じ場所で足踏みをしている国、それが日本

羽生 さて、日本は2019年、ジェンダーギャップ指数121位と史上最下位になりました。

石川 決して日本が何もやっていないわけではありません。でも、スピードが遅いですよね。日本人は大変堅実な側面があり、新しい施策を打つときにも「失敗してはいけない」と慎重に事を進めます。かたや多くの他国ではどうしているかというと、多少見切り発車でもスピード重視で矢継ぎ早に施策を打ちます。他国がスピーディーに前進する中、日本だけ同じ場所で足踏みをしているというイメージです。

羽生 同じ場所で足踏みをしている……。分かりやすい表現ですね。

石川 企業の例で言うと、欧米企業は女性の権利を大事にしていることを声高らかにアピールするところが目立ちます。ここにおいても日本はとにかく謙虚。「うちの会社なんかまだまだ全然進んでいないので、アピールなんてとてもお恥ずかしい」というスタンスのように見えます。日本企業も欧米企業のようにもっと堂々と自慢すればいいのに、と思ってしまいます。

 はたから見ていると、日本は不思議なほど「怒られること」「失敗すること」を恐れている。それ故に一歩を踏み出すことが苦手なのが残念です。失敗してしまった人を、ネット上でこぞって批判するのも考えものです。人の失敗に対してもっと寛容であってもいいのではないでしょうか。

 やや余談ではありますが、ジェンダー問題に一生懸命に取り組んでいたことで知られていた社長のセクハラが報道されたときもそうです。セクハラ自体は全く正当化できず、言語道断です。しかし、あのときメディアは「日ごろから社内の女性活躍をアピールしていた、あの社長が!」という報道の仕方をしました。そういう報道をしてしまうから、「万が一でも、将来たたかれるような危険を冒してまで、女性活躍をアピールするのはリスクだ」と企業が思ってしまうのではと危惧しています。

イベントでスピーチをする石川さん
イベントでスピーチをする石川さん