ジェンダー平等は日本の組織の成長に不可欠であり、多様性のあるチームはイノベーションを起こしやすい。日経ウーマンエンパワーメントコンソーシアムでは、そのような信念で実践しているキーパーソンにインタビューしていく。今回ご紹介するのは小出伸一さん。小出さんは、コアバリューの1つに「イクオリティ(平等)」を掲げ、米サンフランシスコに本社を置く、顧客情報管理(CRM)大手セールスフォース・ドットコムの日本法人で会長 兼 社長を務めている。全3回シリーズの第1回として、新型コロナウイルス感染拡大への素早い対応について伺った。

平時から「社会貢献の重要性」を重視していた

セールスフォース・ドットコム会長 兼 社長の小出伸一さん
セールスフォース・ドットコム会長 兼 社長の小出伸一さん

日経xwoman編集部(以下、――) 新型コロナウイルス感染が拡大する中、貴社は迅速にさまざまな支援を開始されましたね。

小出伸一さん(以下、小出) お客様、パートナーの皆様、当社関係者の皆様に対し、当社が提供しているサービスに関する支援策を打ち出しています。3月末には千葉県船橋市の保健所に向け、業務支援クラウドパッケージを無償で提供し、4月には厚生労働省主導による新型コロナウイルス関連情報の共有基盤として、クラウドシステムの構築と運用を開始しました。

 しかし、私たちはこれらの施策を、新型コロナ感染拡大への対応として付け焼き刃で考案したわけではありません

 ダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で、当社会長兼創業者のマーク・ベニオフは、「Business is the Greatest Platform for Change.(ビジネスは変革のための最良のプラットフォームである)」と発言しました。これこそが創業当初から当社の根幹にある考え方であり、われわれは常にこの考え方に基づいて行動しています。

 現在、グローバル経済は、株主至上主義からステークホルダー主義へフォーカスを変えてきています

 例えば、われわれが船橋市や千葉市にプラットフォームを提供したのは、われわれが「社会とともに成長する」という考え方を持っている証しです。世界に多大な影響を及ぼしている新型コロナ感染拡大の中、われわれがお手伝いすべきはどこであるかを考え、その結果、保健所への支援を決定しました。

 繰り返しますが、緊急事態宣言の対応としてではなく、常日ごろから企業理念として社会貢献の重要性を考えているために、こうした行動を取るに至ったのです。

 当社には4つのコアバリューがあります。