2019年5月1日に日本での活動を開始した「30%クラブ・ジャパン」。企業の取締役会メンバーなど役員に占める女性の割合を30%に上げるという目標を掲げ、資生堂社長兼CEOの魚谷雅彦さんなど55人(2020年5月14日現在)の企業トップが集まり、活動しています。創設者である只松美智子さんに、多様性が低い集団で起こりやすい集団心理「グループシンク(集団浅慮)」について、事例とともに詳しく解説していただきました。

多様性が低い組織で起こる、危険な意思決定パターン

「多様性が低い集団で起こりやすい集団心理を『グループシンク(集団浅慮)』といいます」(「30%クラブ・ジャパン」創設者・只松美智子さん)
「多様性が低い集団で起こりやすい集団心理を『グループシンク(集団浅慮)』といいます」(「30%クラブ・ジャパン」創設者・只松美智子さん)

日経xwoman総編集長 羽生祥子(以下、――) 30%クラブでは、重要な意思決定機関に多様性があることは企業の持続可能な成長につながるとし、その実現に向けて企業のトップが主体的に行動を起こす取り組みを進めています。では逆に、多様性のないメンバーのみでの意思決定は、どんな結果に陥りやすいのでしょうか?

只松美智子さん(以下、只松) 多様性が低い集団で起こりやすい集団心理を「グループシンク(集団浅慮)」といいます。その特徴は、自分たちの集団に対する過度な信頼や楽観主義によって実力を過大評価し、逆にリスクや、自分たちの集団の外にいる人たちの実力を過小評価することです。

 加えて自分たちが持つのと異なる意見、不都合な情報を排除しようとするため、リスク管理機能を著しく低下させます。つまりグループシンクは、間違った判断を引き起こし、自分たちの集団全体をリスクにさらしてしまう、とても危険な意思決定パターンなのです。

グループシンクの8つの症状
1)自分たちの集団に対して過大評価する
2)過度な楽観主義、「自分たちは正しい」と思い込み、道徳や倫理を無視する
3)外部の集団の弱点を過大評価し、 能力を過小評価する
4)外部からの意見や警告を無視する
5)都合の悪い情報を遮断する
6)集団の決定に異論を唱えるメンバーに圧力がかかる
7)疑問を持たないように自己抑制を行う
8)全員の意見が一致していると思う
出所:Irving Janis(1918~90年)