3.ある分野に「1時間」で強くなりたい時

⇒本を3冊読もう

 1時間である分野について知りたい時にお勧めなのは、「本を3冊読む」ということ。Amazonや書店で本を買っても、図書館で借りてもいいと思います。

【1】
 まずは入門書の目次を見て、押さえるべき論点などを把握。分からないところや詳しく知りたいところを流し読みします。

【2】
 次に、中級編の本や、考え方ができる限り正反対の人の本を読む。そうすることで、その分野についてある程度基本を押さえることができます。

 私が自分の専門性がない分野で取材する場合、まずはAmazonなどで5冊ほど本を購入し、目次をめくるところから始めます。どのぐらい読むかは、取材までのタイムリミットから逆算して決めます。

 講演会などで1時間話を聞くよりも、本で読む方が圧倒的に情報を収集することができます。本を作るには、実はすごく時間がかかっています。著者がこれまでの人生で得た知見や高い専門性を、伝わりやすく工夫して詰め込まれているのです。本1冊=著者の話を5~10時間聞くイメージに近いですね。

 本から情報を網羅的に得ることは、情報収集を効率的にすると思います。その分野に詳しい上司などがいる場合は、どの本を読めばいいか聞いてみるといいでしょう。

4.正確な情報を知ろう

⇒「Google Scholar」「J-STAGE」「CiNii」を使いこなせ

 世の中にはフェイクニュースがたくさんあります。気軽につぶやけるTwitterなどでは、学者の人でも誤った情報発信をしていることも時折見受けられます。「自分の専門分野以外の内容で、すべて正しい情報発信をする」のは至難の業です。

 そんな時に正確な情報を得るためにお勧めなのは、論文の検索サイトを使うこと。私は「Google Scholar」「J-STAGE」「CiNii」を使い、いろんな検索ワードから論文を探しています。

 けれど、論文をすべて読むのはとても大変。そこで、目次やPDFなどの文書内の検索機能を使い、単語で検索。ざざっーと見ます。

 私は、まず1つ目に上記で挙げた論文サイト、2つ目に日経テレコンなどの新聞や雑誌記事の検索サイト、3つ目に省庁のHPの順に使うことが多いですね。Yahoo!やGoogleなどの検索サイトで「調べたい単語」「PDF」と検索してみることもお勧めです。

5.「今、何が話題か」を意識しよう

⇒トレンドはネットをうまく利用

 世の中の関心に目を向けることはとても大切です。特にSNSなどを使用したマーケティングの場合、情報が1日2日遅れるだけで売り上げが大きく落ち込むことがあります。

 私はYouTubeで時事ネタ解説をしていますが、1時間単位で再生回数が大きく変わると身をもって感じています。

 何がトレンドなのかは、Twitterのトレンド機能やYahoo!ニュースのトップ画面に行き、アクセス上位の記事を見るようにしています。主要メディアが報じていなくても、世間の関心が高いことが分かります。

 ネットのトレンドは、どうしてもテレビや新聞で報じられるまでにタイムラグが発生することが多いもの。新聞だけを見ていると1週間前に話題になっていることが掲載されていたりするため、ネットの情報も、このように押さえるようにしています。

情報を疑え

 私が意識しているのは、「情報を疑う」ということ。

 大きな地震が発生したとき、「動物園からライオンが逃げたので拡散をお願いします」というフェイクニュースが出たことがありました。

 西日本豪雨が発生したときに、お笑い芸人「千鳥」のノブさんが「支援物資が足りないからコンビニに届けてください」というツイートをRTしたところ、「コンビニに大量の物資が到着→食べ物を狙うカラスに困る→拡散したノブさんが店主に謝罪する」ということが発生しました。善意でやったことなのに、気の毒だなと思いました。

 拡散する前には、まず「情報を疑う」ということが大切です。必ず「出典はどこ?」「本当かな?」と注意を払ってください。情報を流すということは、「自分ではない誰かが書いたもの」でもそれが間違っているだけで名誉毀損などの罪に問われる可能性があることを、肝に銘じてください。

 もしその情報が本当か分からなかった場合は、同じ単語で新聞の検索サイトや、Yahoo!、Googleなどでニュース検索に条件を絞ってみましょう。その際は、ニュースの発信元や署名記事を見ること。ぜひ、「情報を疑う」癖を付けてください。


 これらのことを意識して、ぜひ情報を効果的に取り入れてみてください。経験を踏めば踏むほど、検索ワードスキルや目次の読み方のスキルが高まり、「はじめに」と「終わりに」を読んで本の中身を連想できるようになると思います。まずは数をこなしてみてくださいね。

文/たかまつなな