doorsの読者層である20~30代。時事YouTuberのたかまつななさんも、まさにその年代の一人。これまでずっと働きづめだったたかまつさんは、コロナ禍で「幸せの定義」がガラリと変わったという。徒然(つれづれ)なるままに、心のうちをお届けします。

20代後半になって分かったこと

 私は現在、27歳。まもなく28歳の誕生日だ。焦っている。自分の将来をどうすべきか。「お先真っ暗だ」とさえ思っている。

 20代前半だった頃、30歳を目前にした女芸人の先輩が、楽屋で結婚について話しているのを何度か見かけた。そのたびに私は「結婚よりも、今は芸事に集中しないと」と思っていた。だが、今ならその気持ちが痛いほど分かる。あのときは、私の視野が狭く見誤っていたと、心から感じる。

女性にはタイムリミットがある

 人はいくらでも人生のやり直しができるし、おばあちゃんになってから大学に入学することもできる。けれど、女性には出産というタイムリミットが間違いなく存在する

 高齢出産をする人が増えたとは言え、高齢になればなるほど、さまざまなリスクが伴うのは事実だ。そして不妊治療には莫大なお金がかかることもある。

 ひと昔前まで、女芸人には「モテないことをネタにする」といった空気感がはびこっていた。だからなのか、結婚・出産した先輩たちは高齢出産した人が多く、「不妊治療が大変だった」「仕事との両立が大変だった」という話をよく聞く。けれど、不妊治療の話などはあまりテレビなどで公にしない人も多いから、その大変さは、あまり視聴者に認知されていないようにも思う。

 仕事と子育てが両立できる社会であってほしいが、今すぐに世の中は変わらない。仕事を頑張りすぎて、5年後、10年後に悔やむなら、今向き合っておくべきだと思う

 30歳を目前にしてお先真っ暗だと思う私だが、このコロナ禍で考えたことがある。それは「本当の幸せ」とは何か、ということだ。