おすすめは「プロボノ」
私がおすすめしたいのは、本業と近い領域で副業し、やりがいを感じることを推奨します。まずは、プロボノから始めてみてはいかがでしょうか。
プロボノとは「プロのボランティア」のこと。自分の専門知識や持っているスキルなどを社会貢献に生かすことです。
例えば、会社では上司に怒られ、裁量権も与えられていない、とある若いエンジニアがいたとします。週末にNPOのサイト運営を引き受けてみたら、仕上がりをものすごく褒められて、やりがいを感じた……なんてこともあります。
初めは、ボランティアでやることをおすすめします。最初から高い金額で引き受けると、より高い成果を求められ、自分の首を絞めることになりかねません。今の自分の仕事を生かし、社会貢献をし、自分のスキルに誇りを持つ。そこから徐々にお金をもらっていくのが理想のスタートではないかと私は思うのです。
2.本業で成果を上げる
政府が副業を推進するものの、まだまだ副業をしている人は少数派です。体力的にも精神的にも、しんどくなる時がくるかもしれないことを覚悟してやらなければなりません。
本業で成果を出し、誰よりも努力する。これが今の日本社会では必要です。
私もNHKで働いていたときは、深夜3時ぐらいまで残業をして企画書を書き続けていました。週末は笑下村塾の講演会やライブ活動で忙しかったので、平日の夜、空いている時はとことん頑張りました。飲み会は、誘われたら30分でも参加し、芸人としてのクオリティーを上げるために、出し物は一切手を抜きませんでした。
逆に、絶対にやってはいけないのは「本業の手を抜くこと」です。
副業を頑張りすぎて本業をおろそかにすると、本業で打席に立てなくなります。「あいつを成長させたい」「経験させたい」と上司に思ってもらわなければ、いい仕事は回ってきません。
予定が重なることも、当然ありました。私の場合はピン芸人なので、数カ月前から決まっていた出番と、NHKの会議や番組の編集期間が重なると、かなりつらかったです。
そんな時は、番組の編集がスムーズにいくように、上司に主な編集の流れの合意を事前に取っておいたり、すぐに編集できるよう使いどころをあらかじめ決めておいたりしていました。
会議に参加できない場合は、資料を丹念に作り込み、おわびのメールとともに送りました。アイデアなしで手ぶらで会議に来る人よりも、成果を出していたのではないでしょうか。
「仕事の手を抜かず、周囲に迷惑をかけず、その上で芸人活動もしたい人」――。そう思ってもらうことで、「副業なんかやめなさい」と小言を言われることは、ほぼありませんでした。
これができなければ、副業はお金を貰わず無報酬でやるなどの工夫が必要かもしれません。「本業が忙しいからできません」は通用しません。また、それによって「仕事を整理するタイミング」も見えてくるのです。