「これまでずっと、自分はメンタルが強い人間だと思っていた」と言うたかまつななさん。しかし今年7月ごろ、涙が止まらなくなり「死にたい」と思ってしまった――。たかまつさんの体験を元に、自分の心との上手な付き合い方を、今考えたい。
「死にたい」と思った
今年の7月、私は「死にたい」と思った。
涙が止まらなくなった。涙が止まらなくなって初めて、自分がここまで追い詰められていたことを悟った。自分が一番驚いた。
「こんなギリギリだったの、私?」「仕事したいんですけど、なんで涙が止まらないの?」って。
理由は、勤めていたNHKを退職することになったこと、将来に対する漠然とした不安、コロナでの自分の会社(笑下村塾)の経営不振など。理由は複数であり、決定的なものはないと思う。
これまで、子どもの自殺や自死遺族の取材をしていた私は、相談窓口を利用したり、誰かにSOSを発したりすること、精神科に行くことの大切さは知っていたが、いざ自分が当事者になるとパニックになった。
芸能人の自死が相次ぎ、自分の経験をnoteに書いたところ反響がとても大きかったので、ある日、突然、「死にたい」なんて思わないために、自分の心との上手な付き合い方を考えたいと思う。
何がSOSか、サインを見つけたときの手順を知る
結果から言うと、私は、自分の心の悲鳴に気づいてあげることができなかったと思う。かなりギリギリだった。もう少し前に、心の休養が必要だった。
厚生労働省が出している、若者のためのメンタルヘルスブック「こころもメンテしよう」では、ストレスがたまると心の病気になりやすいと指摘し、その際の心と体のサインについて以下のように記している。
そう。寝つきが悪くなったり、イライラしたり、なんてことは誰にでもある。だから、このようなサインに気付きにくいのだ。些細(ささい)なことでも、「あれ? もしかしたら、心の病気かも。ちょっと休もうかな」などと考えることは大切なのだ。
自分でできる対処法は?
上述のハンドブックの中に、自分でできることが6つ挙げられている。
そして、大切なのが、「誰かに相談する」ということ。