今後、脱プラスチックの動きは間違いなく他の業界、他のプラスチック製品にも広がっていくでしょう。今年1月、安倍晋三首相は施政方針演説で「世界の国々とともに海洋プラごみ対策に取り組む」と訴えました。政府はその具体策として「プラスチック資源循環戦略」案を決定し、「レジ袋の有料化を義務付ける」「ストローなどの使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに現在の25%削減する」などの目標を掲げました。今年6月、大阪市で開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、脱プラスチックが主要議題の1つとして取り上げられたのは記憶に新しいところです。

日本が打ち出した「プラスチック資源循環戦略」。日本は米国に次ぎ、世界で2番目に1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量が多い
日本が打ち出した「プラスチック資源循環戦略」。日本は米国に次ぎ、世界で2番目に1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量が多い

個人としてプラスチック削減する工夫を問われる

 脱プラスチックは国際世論を踏まえた国としての方針でもあるのです。私たちはビジネスパーソンとして、事業活動で使う使い捨てプラスチックをどう削減するか、さまざまな工夫やアイデアを問われるようになるでしょう。また消費者としても、家庭でのプラスチックの使用をどう抑えるかなど、環境・ゴミ問題を踏まえた行動を求められるようになるでしょう。

 外食企業として脱プラスチックの先頭を走るすかいらーくは今後、宅配サービスやテイクアウト(持ち帰り)に使うプラスチック製容器やフォーク、ナイフ、スプーンの脱プラスチックを進める予定です。2020年2月から3月をめどに生分解性プラスチックに切り替えていくとのことです。和田さんは言います。

 「こちらもプラスチック製ストローの廃止と一緒で、環境に優しいことはとにかくやってみようという判断です。環境・ゴミ問題に配慮するのは今やあらゆる企業にとって事業活動の大前提だと思います」

取材・文/渋谷和宏 写真/花井智子