意識がポジティブになる環境づくり

 在宅勤務中は、仕事をしている部屋とプライベートな時間を過ごす部屋、寝る部屋も全部一緒。仕事とプライベートの時間の境界線が曖昧になり、結果的に仕事のことをずっと考えてしまうことが多くなったと、最初は感じていました。在宅勤務が長期戦に突入すると、いかに長距離走的にパフォーマンスを出せるかが大事。意識的にオンとオフの境界線を引いてリフレッシュすることで、仕事の業務効率を上げるように努力しています。

 始業前にはマインドフルネスで心静かな時間を持ち、ランチタイムは外の空気を吸ってリフレッシュ。仕事後、晴れの日は近所をランニング、雨の日はオンラインのバレエレッスンをしています。お気に入りはオランダのバレエ団の公開オンラインレッスンです。長年クラシックバレエを習っていて、社会人になっても心のリフレッシュのために週1回続けていました。緊急事態宣言後はレッスンが休みになり、休日に何をしたらいいのかと悲しい気持ちに……。そんなとき、日本よりも早い段階からロックダウンになっていた海外の友達はオンラインでヨガやトレーニング動画を見るなど、それぞれが工夫して毎日を心豊かに過ごしていることに刺激を受けました。自由に外に出られないことをネガティブに捉えるより、今ある現状の中でどうやって生活を楽しみ、切り替えられるかに意識を向けられるようになりましたね。

 退勤後は、スキルアップのためにUXデザインのオンラインコースを受けたり、読書をしたり、映画やドラマを見たりして過ごしています。同期とは仲がよく、金曜夜にZoomで出入り自由のオンライン飲み会をすることも。大学時代の友達とも休日にオンラインでつながり、よく話しています。3密を避けるという状況の中で、飲み会はもちろん、学習のために参加するイベントやセミナーもオンライン化されています。今後、人との関わりがどこまでオンラインになるのか、どの部分は「やっぱりリアルがいい」と人々が思うのか、とても気になります。

 私は今年2月にスクラムマスターの資格を取得するための研修を受けたのですが、約30人が1つの部屋に集まり、ディスカッションしながら自分の思考をまとめ、その場にいるいろいろな人の表情を見ながら進めていくというとても実りのある研修でした。そういった研修もオンラインで実施になったとき、オンラインだからこそ得られることももちろんあると思いますが、自分が経験した研修とは変わってくるのだと感じます。語学学習も、「自宅で言葉を学ぶこと」と「実際にその場所に行って文化の中から言葉を学ぶこと」は違う経験。リアルだからこその肌感覚が得られなくなる不安はありますね。

 こうしてポジティブな部分のお話をしている一方、私も天気が悪い日になんとなく不安になったり、ネガティブになったりする日があります。先行きが不透明で大変な状況ではありますが、このコロナ禍は歴史に残る状況。「20代でこの歴史に残る状況を経験したら、今後仕事や社会で生きていくのにすごく価値があるはず」という上司からの言葉がとても心に響きました。この状況が永遠に続くわけではないので、できるだけポジティブに考えるようにして、工夫をしていけたらいいのかなって思っています。

※取材は5月20日に実施

取材・文/加藤京子(日経doors編集部) 写真/楡井さん提供