doors世代のリアルな在宅勤務生活に迫る本連載。第4回は、ソフトウエア開発会社・サイボウズで働く山見知花さん(26歳)です。一人ひとりにフィットした多様な働き方を積極的に推し進めてきたサイボウズ。緊急事態宣言前は、オフィス勤務での働き方がメインだった山見さんは、コロナ禍を機にフルリモートへと移行した当初、戸惑いもあったと言います。試行錯誤で整えてきたテレワークの工夫とリフレッシュ法について聞きました。

寝に帰る場所から、働きやすい自宅環境に模様替え

 コーポレートブランディング部に所属している私は、主に広報業務を担当するほか、IR(投資家向けの広報活動)プロジェクトに参画し、他部署と連携しながら株主向けのイベント企画やコンテンツ制作を行っています。

 サイボウズでは2010年にテレワーク制度を試験導入してから、社員の声を取り入れながら働きやすい環境を整えてきました。2018年4月には、社員が自分自身で働く場所や時間を決める「働き方宣言制度」を導入。テレワークが普及する前から働く場所も時間もみんなバラバラだったので、業務上の基本的なやりとりをオンラインで行うことには慣れているんです。

 ただ私自身で言うと、今年2月末、国内拠点における原則在宅勤務化が決まるまではなるべく出社の働き方をしていて、テレワークは月1~2回短時間で行う程度。出勤しない働き方は不慣れでした。中途採用で入社して今2年目ですが、前職は当時テレワーク制度がない会社だったこともあり、テレワークをすることにどこか後ろめたい気持ちがあったのです。新型コロナウイルスの広がりを機に、社内では今年の2月初旬から自主的に在宅勤務する人が増えました。私も2月末からフルリモートワークで、メディアの対面取材で広報として立ち会う場合と、取引先の都合で書類になつ印が必要な場合に限り、出社しています。

 自宅での仕事は、意識をしないと長々と仕事ができてしまう環境。一人暮らしの自宅の作業環境が整っておらず、最初は戸惑いました。以前は「ただ寝るために帰る場所」という位置づけでしたが、仕事空間とプライベート空間の切り分けが難しくなったことで、仕事のリズムが分からなくなったり、オフィスのときのように集中できなかったり……。より仕事をしやすくなるように、部屋の模様替えをしました。

自宅をテレワーク仕様に模様替えして、働きやすい環境づくり。姿勢を変えて仕事ができるよう、シェルフやローテーブルを配置。仕事アイテムをまとめるスペースもつくった
自宅をテレワーク仕様に模様替えして、働きやすい環境づくり。姿勢を変えて仕事ができるよう、シェルフやローテーブルを配置。仕事アイテムをまとめるスペースもつくった