自宅とオフィス、業務内容のメリハリ

 緊急事態宣言中は顧客訪問ができないため、顧客の皆さんには電話やオンライン上で近況を聞くことから始めました。すると、あるホテルチェーンから「朝食ビュッフェを休止して、個食対応にする」という情報を得たので、これまで導入実績のなかった個包装の調味料などを提案し成約につながりました。また、ビュッフェの実施が難しくなったホテルへ向けて、ワンプレートメニューも提案。居酒屋チェーンへはテークアウトを検討するところも出てくると考え、自宅でメニューを試作して写真に撮り、メールに資料として添付しました。対面でなくても、何らかの形でコミュニケーションを取り続けていれば、新たな困りごとやニーズに対してキユーピーとして役に立てることがある。そう実感できる、いいきっかけになりました。

 また、テレワークを取り入れた働き方を始めてから、効率を上げるために「自宅でできること」「会社でしかできないこと」を意識して分けるようにしました。例えば、商品の見積書や提案書の製作など、パソコンを使い一人で集中してできる業務は自宅ですることに。オフィスでする仕事は、主に顧客訪問の準備です。私が扱っている業務用商品は、重いものが多くて持ち歩くのが難しいので、社内にある専用キッチンを使って試作品作りや撮影を行っています。キユーピーにはタルタルソースや卵加工品など、マヨネーズ以外の商品がたくさんあり、プロのシェフでなくてもおいしく作れるように簡単なメニューを求められるケースも多いので、提案用の試作品作りも重要な仕事の一つです。

 対面に限らず、Webで商談を行うケースも増えました。試食ができない代わりに今まであまり実施できていなかった調理オペレーションの提案を行ったり、研究開発メンバーにも商談に参加してもらったり、オンラインだからこそ深まる提案になるよう、メンバー同士で情報交換しながらよりよい営業方法を模索しています。テレビ会議やWeb商談のときはいつも以上に積極的に発言し、流れをあらかじめ共有して全体像を把握。普段よりアクションが大きめになっていると思います(笑)。

野田さんによる試作品。使用頻度の高い食パンと身近な食材を使用し、店舗での食材ロス軽減にもつながる「サラぱん」(写真中・左)。ホテルにはワンプレートメニューを提案(写真右)
野田さんによる試作品。使用頻度の高い食パンと身近な食材を使用し、店舗での食材ロス軽減にもつながる「サラぱん」(写真中・左)。ホテルにはワンプレートメニューを提案(写真右)