doors世代のリアルな在宅勤務生活に迫る本連載。今回は食品メーカー・キユーピーで働く入社7年目の野田朝子さんです。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を機に、4月から約2カ月のフルリモート勤務を実施。6月以降、オフィス勤務とテレワークを組み合わせた働き方をしています。主な顧客であるホテルや飲食店が苦境に置かれる中、営業活動の工夫をはじめ、オンライン・対面での仕事のメリハリについて話を聞きました。

(上)キユーピー20代営業職 対面・オンライン業務でメリハリ ←今回はここ
(下)キユーピー営業職 仕事力上げる運動・食事のルーティン

週2、3回出社とテレワーク併用の勤務スタイル

 私は入社以来キユーピー東京支店フードサービス営業2課で居酒屋、レストラン、ホテル向けなどの業務用商品の営業を担当しています。キユーピーは在宅勤務制度を2014年4月からテスト導入し、2016年7月から週2日を限度として本格スタート。コロナ禍となった現在は運用ルールを見直し、日数制限なく取得できるようになりました。

 以前から、本社がある東京以外にも、東京都府中市の中河原工場敷地内の研修センター、営業所など、外出先での効率を重視した場所を問わない働き方には積極的に取り組んでいましたが、在宅勤務の働き方は定着していませんでした。会社として東京五輪中の混雑緩和に向けてテレワークのシステム構築を進めていたものの、コロナ禍対応により急ピッチで環境を整備。キユーピーグループの従業員は、契約社員、派遣社員も含めると約1万5000人。生産や受注のスタッフは出勤していたものの、移行直後は社内ネットワークの容量が不足し、ネット環境が安定しなかったことも……。当時、社内ネット環境へのアクセス集中を避けるため、時差出勤で対応した部署もありました。その後、ネット環境を強化し、容量が不足する問題は解消しています。

 緊急事態宣言が解除された6月以降は、所属する課でそれぞれシフトを組み、出社率を調整しています。私は現在週に2、3回オフィスに出勤し、その他の日はお客さまのところに直行直帰するか、在宅勤務をしています。今はずいぶんこの働き方に慣れましたが、テレワークが始まったばかりの4月上旬はかなり戸惑いました。営業は、お客さまと会ってコミュニケーションをすることが大事。それなのに、外出せず家にずっといるという状況に、罪悪感を覚えたこともあります。

 営業先のホテルや外食業界は大きな打撃を受けており、インバウンド需要がなくなったことでこれまでと同じ提案手法は通りません。個別の状況に配慮し、ニーズに寄り添いながら柔軟に対応していく必要があります。こんな状況でも何かやれることはあるはずと、気持ちを切り替えるようにしました。