「子育てが最優先」と決めたきっかけは

 スザンヌさんには移住後に決意し、現在も守り続けていることがある。それは、「子どもが大きくなるまでは子育てを最優先にすること」

 「息子が1歳ぐらいのときに、仕事で3日間ぐらい留守にせざるを得ないことがありました。まだ小さいから、世話をしてくれた家族も大変だったと思います。一方、私は子どものことが心配で仕事に集中できず……。『いったい自分は何をやっているんだろう?』と思って、ハッとしたんです。

 そこからは、『子育てが最優先』と決めました。すると、いい意味で『自分にはここまでしかできない』という区切りをつけられるようになったんです。優先順位を決めたおかげで、何かを選択するときに迷わず、スケジュールを立てやすくなりました。あれもこれもと手を出していっぱいいっぱいになることがなく、本当に大事なことだけが身の回りにある状態になるので、精神的にも安定するようになりました」

子育てを最優先にしながら仕事も継続中
子育てを最優先にしながら仕事も継続中

 今はオンラインで仕事をすることも多く、熊本にいながら東京の人たちと打ち合わせをすることも多いという。

 「オンライン会議では、事前準備がすごく大事だと思います。例えば、シューズブランドの打ち合わせをするときには、実際の商品の色と、画面で見えている色が違って見えることがあります。そのため、お互いに共通の色見本を用意して、その見本で色の確認をし合うなど、ミスコミュニケーションが起こらないようにしています」

 目の前の課題を一つずつ、着実に。何よりも明るく、楽しんで取り組んでいる姿勢がスザンヌさんからは伝わってくる。

 「周囲からは大きな決断に見えても、本人にとっては『それ以外の選択肢はなかった』という状況は多いと思います。それを『決断』というカッコイイ言葉に置き換えて自分を奮い立たせ、前向きに頑張れる状況に変化させているのかもしれません。

 私の場合も、熊本移住は決断といえば決断ですが、そうするしかなかったとも言えます。でも、『決めたからには楽しもう!』という気持ちで過ごしてきました。決断したことに対してどういう気持ちで取り組むのかは、自分次第だと思います」

★地方と東京の違い、主体性を持って働くためのマイルール、いつも笑顔でいるための秘訣などを聞いた後編はこちら。
「スザンヌ 熊本での生活と自分を好きでいるための秘訣」

取材・文/三浦香代子 写真/Instagram(@suzanneeee1028より)