留学の原動力は? きっかけはあの海外ドラマ

 「コンピューターサイエンスを学ぼうと思ったのは、外資系のコンピューター関連会社に勤務していた父の影響が大きいですね。父が『英語以外にも何か専門的な知識を身に付けてほしい』と私に伝えてくれていたので、留学先ではコンピューターサイエンスを専攻しました」

 また、同級生たちが地元の大学に進学する中、日本ではなく海外の大学を選んだのは、90年代に日本で放送されていた米国の海外ドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」(編集部注:米国のビバリーヒルズに住む若者たちの青春を描いたドラマ)の影響があったからだという。

 「学生時代、私は『ビバリーヒルズ青春白書』が大好きで、そのドラマの世界への憧れが、留学の原動力になっていました。夢中になって見ていたドラマの舞台である米国に行ってみたい。そこでいろいろなことを吸収しながら、充実した日々を過ごしたい。そんな憧れを抱いたことで、『私は絶対にビバリーヒルズ青春白書のように米国の大学を卒業するんだ!』と思って、留学を決意したんです」

 留学後の4年間は、寝る間も惜しんで猛勉強。最初はうまく通じなかった英語も、何カ月も大変な思いをしながら習得し、日常会話に支障が出なくなるまで上達した。

 「英語に、『うまくいくまで、うまくいっているふりをしよう』という意味の『Fake it till you make it.』という言葉があります。慣れない環境の中で過ごした大学4年間は、まさにうまくいくまで努力し続けた日々でした。『絶対にやりきる』と決めて、人生の中で一番勉強した時間だったと思います」

米国在住のため、オンライン取材を実施。時岡さんは「ビバリーヒルズ青春白書」への憧れを原動力に米国へ留学し、そこから人生を切り開いていった
米国在住のため、オンライン取材を実施。時岡さんは「ビバリーヒルズ青春白書」への憧れを原動力に米国へ留学し、そこから人生を切り開いていった