MBA留学で手に入れたものは、学位だけではなかった

 こうして、英国にMBA留学を果たした時岡さん。オックスフォード大学に入ると、それまでのキャリアに対する悩みや迷いが吹き飛び、刺激的な日々を過ごすことができたという。

 「私はてっきり、自分のように社会起業に興味がある人たちが集まってくるのかと思っていたのですが、同級生の中には、すでに起業している人たちがたくさんいました。アフリカの子どもたちを助けるために起業している人や、東南アジアで教育プログラムを展開している人など、起業経験のある人たちとディスカッションをする機会を得られ、とても充実した毎日でしたね」

 そして時岡さんは、この英国留学中に、同じ「社会起業」という志を持った人たちとのつながりを手に入れ、卒業後、社会起業家としての第一歩を踏み出した。

時岡さんが手掛けているマッチングサービス「EME hive」のイメージ画像
時岡さんが手掛けているマッチングサービス「EME hive」のイメージ画像
★MBAスクールを卒業後、2010年にDeNAの創業者の一人である渡辺雅之さんと一緒に英国で事業を開始した時岡さん。そこから2013年にマッチングアプリ事業を米国で立ち上げるまでのストーリーは後編で。
「米国起業、130万人の独身マイノリティー利用のアプリ」

取材・文/青野梢(日経doors編集部) 写真/鈴木愛子