弁護士資格を取った意外な理由

 岡本さんは、慶応義塾大学在学中に、旧司法試験に合格。大学卒業後に司法修習を経て、2008年に西村あさひ法律事務所に入所した。

 なぜ、弁護士資格を取ろうと思ったのか。学生時代、どんなキャリアビジョンがあったのか。岡本さんに尋ねると、意外な答えが返ってきた。

 「実は、明確な目的意識があって弁護士資格を取ったわけではないんです。大学生だった当時、新聞記事などでM&A(企業の合併・買収)に関する情報を見聞きするようになり、そのM&Aを裏で支える存在として、弁護士がいることを知りました。

 民事事件や刑事事件に携わる弁護士は、世間的にも認知度が高いと思うのですが、私は『ビジネスの世界で活躍する弁護士』に憧れたんです。そして資格があれば就職にも役立つだろうと思い、弁護士資格を取りました」

 仕事をした経験がない学生の場合、明確な目的意識を持って職業を選べる人は少数派かもしれない。岡本さんも例外ではなく、学生時代の「憧れ」と「現実」を掛け合わせて考えた結果、弁護士を選んだといえる。

学生時代、ビジネスの世界で活躍する弁護士に憧れていたという岡本さん
学生時代、ビジネスの世界で活躍する弁護士に憧れていたという岡本さん