アイドルとしての葛藤「あんなふうにはなれない」

遠藤 松浦亜弥さんやモーニング娘。さんといった、歌もダンスもうまくて、バラエティーでも活躍されているクオリティーの高いアイドルがたくさんいたので、当時の自分と、彼女たちとのポテンシャルの違いに戸惑いはありました。「あんなふうにはなれない」という葛藤は抱えていましたね

 でも、当時出演していたバラエティー番組・アイドリング!!!のディレクターが、「デビューしたばかりで何も持っていない君たちは、未熟で当然。その未熟者ができることは、与えられた仕事を全力でやること。やるべきことを全力でやってくれたら、あとは自分たちがバラエティー番組として成立させるから」と言ってくださって。その言葉に救われて、「自分がやるべきことをやればいい」と思えるようになりました。

 もちろん、甘やかされていたわけではありません。「下ネタなどの安易な笑いには走るな」と口を酸っぱくして言われていましたし、中途半端な仕事をしたらめちゃくちゃ怒られたので、スパルタ教育でいろいろなことを教えていただきましたね。

「クオリティーの高いアイドルたちがたくさんいたので、ポテンシャルの違いに戸惑いがありました」
「クオリティーの高いアイドルたちがたくさんいたので、ポテンシャルの違いに戸惑いがありました」

目標がなくても7年半アイドル活動を続けられた理由

―― 18歳でデビューしてから、約2年半後にはリーダーになり、25歳までグループで活動しましたよね。アイドルとして活動していく中で目標が生まれたから、7年半もの間活動を続けられたのですか?

遠藤 メンバーやスタッフのことが好きでしたし、リーダーになったこともあり、「途中で投げ出すのは無責任だよなあ……」という感覚が大きかったですね。私はアイドルや芸能人として「売れたい願望」が全くなかったので、デビューしてからも目標は特にありませんでした。周囲からすれば、扱いづらいタレントだったと思います(笑)。

 ただ、「課題をクリアしていくこと」に関しては、面白いと感じていました。例えば、ライブではどうすればパフォーマンスがより良いものになるのかを考え、問題があればそれを解決していく――など。目の前の課題を解決していくこと自体が好きだったので、そこに楽しさを感じていたんです。

―― アイドルとして活動する中、「もしも美容系の専門学校に進んでヘアメイクの勉強をしていたら……」と考えることはありましたか?