アイドルは25歳で定年? 「同じ場所にいつまでもとどまれない」
遠藤 年齢が一番大きな理由ですね。私が活動していたときは、暗黙の了解として「アイドルは25歳で定年」という雰囲気がありました。今は状況が違うと思いますが、当時は25歳以上でグループに在籍している人はあまりいなかったので、もともと25歳で卒業することを念頭に置いて活動していたんです。
―― 「25歳を過ぎてもアイドルを続けたい」という気持ちはありましたか?
遠藤 全くなかったです。逆に「先細っていく前に、次の一手を考えておきたい」と思いました。だから20歳くらいから、漠然と卒業については考えていたんです。
―― 20歳……。グループとして活動している初期の頃から考えていたんですね。
遠藤 そうですね。当事者として、「アイドルとして活動できる状態がいつまでも続くわけではない」という危機感があったので、「この職業を何歳まで続けられるのか」「人気が下降するのはいつごろか」ということを、常に意識していました。
私の場合は21歳でグループのリーダーかつ最年長になり、13~14歳の女の子が新規加入してくる経験もしていたので、グループの新陳代謝を考えると、「いつまでも同じ場所にとどまれない」という気持ちがあったんです。
―― そして実際に25歳でグループを卒業したわけですが、卒業後、ソロ歌手としての活動は充実していましたか?
遠藤 いえ、それが全く……。ソロとして約3年半活動していたのですが、27歳くらいのときは人生で一番仕事がない時期を過ごしていました(笑)。
―― そうなんですね(笑)。では下編では、ソロ歌手からボイストレーナーに転身するまでの話を聞かせてください。
■アイドリング!!!卒業後はソロ歌手に
■仕事がなかった時期は家で○○をしていた
■芸能活動中に始めたアルバイトで悟ったこと
■ソロ歌手からボイストレーナーへ転身した理由は?
■ボイストレーナーとして、常に学びは必須
■人生はゲームのようなもの? その真意とは
■順風満帆なだけではない、日々ぶつかる壁も
取材・文/青野梢(日経xwoman doors) 写真/稲垣純也