この連載では、各分野で活躍している人たちに「人生を左右した決断」についてインタビュー。今回は、講談社の週刊漫画雑誌『モーニング』で人気連載中の作品『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』の作者、泰三子(やす・みこ)さんの「決断」に迫ります。

(上)300万部突破のハコヅメ 元警察官が漫画を描いた理由 ←今回はここ
(下)ハコヅメ作者 警察辞め退職金が底をつきパートも考えた

『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。ハコヅメは、主人公の新人警察官・川合麻依が勤務する岡島県警の交番(=ハコ)が舞台 (C)泰三子/講談社
『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。ハコヅメは、主人公の新人警察官・川合麻依が勤務する岡島県警の交番(=ハコ)が舞台 (C)泰三子/講談社
『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。泥棒は空き巣をする町をどうやって決めているのでしょうか? その答えは、元警察官の泰さんにしか描けないエピソード (C)泰三子/講談社
『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。泥棒は空き巣をする町をどうやって決めているのでしょうか? その答えは、元警察官の泰さんにしか描けないエピソード (C)泰三子/講談社
『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。ハコヅメでは、主人公の川合と元刑事課エース・藤聖子の凸凹コンビが活躍。その他にも人間味あふれるキャラクターが大勢登場します! (C)泰三子/講談社
『ハコヅメ』1巻、その1「アンボックス(ハコから逃げろ)」より。ハコヅメでは、主人公の川合と元刑事課エース・藤聖子の凸凹コンビが活躍。その他にも人間味あふれるキャラクターが大勢登場します! (C)泰三子/講談社
警察官の日常と仕事をコミカルかつリアルに描いて累計300万部を突破した漫画『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』(以下、ハコヅメ)。作者の泰三子さんは、警察官として10年勤務した後に退職し、漫画家に転身した異色の経歴の持ち主です。なぜ漫画を描こうと思ったのか、なぜ警察官を辞めて専業漫画家の道を選んだのか? 担当編集者・田渕さんにも参加してもらいながら、漫画家になった経緯を聞きました。
泰三子(やす・みこ)
泰三子(やす・みこ)
警察官として某県警に10年勤務。交番勤務を経て、防犯広報などを担当。『モーニング』に1ページの短編漫画『交番女子』が掲載された後、2017年11月から『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』の週刊連載がスタート。担当編集者の制止も聞かず、警察官を辞めて専業漫画家に転身。2021年7月~9月には、日本テレビでテレビドラマ化。2022年1月からはテレビアニメもスタート予定

警察官を目指すきっかけは、母の言葉

編集部(以下、――) 泰さんは元警察官ですよね。まずは、警察官になろうと思った理由を教えてください。

泰三子さん(以下、泰) 事件や事故などの悲しいニュースを目にしたときに、子どもの頃から母に「そういうニュースは自分のことだと思って見なさい」と言われていたんです。だから幼いときはニュースを見るのがつらかったのですが、成長するにつれ、「自分は悲しいニュースをなくす仕事に携わりたい」と思うようになって。高校生のときには、「海外の地雷が埋まっている場所を何とかしたい」と考えたこともあったのですが、英語が話せなかったので、日本で警察官を目指すことにしました。