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私が決断したとき

車椅子3年目の猪狩ともか 仮面女子になれず絶望した日

(上)試練の下積み時代 アイドルとしては遅いスタートから3年かけて仮面女子へ昇格した過去

3回落選 仮面女子に昇格できず、絶望して泣き崩れた日

 仮面女子では、候補生から仮面女子へと昇格するイベントを「組閣」と呼び、ファンを目の前にして、ステージ上で昇格するメンバーが大々的に発表される。

 この「組閣」で昇格できるかどうかは、歌やダンスなどの実力はもちろん、日ごろからのメンバーやスタッフとの関係性、ファン獲得のための努力などを総合して判断される。つまり、候補生にとっては毎日がオーディション。猪狩さんも、「仮面女子としてステージに立ちたい」という一心で毎日努力を重ねていたが、最初の組閣で彼女の名前が呼ばれることはなかった。

 「1回目の組閣のときは、7人中4人が仮面女子に昇格して、私を含む3人が残りました。仮面女子になれなかった悔しさはもちろんありましたが、それまで一緒に頑張ってきた候補生たちと一緒に活動できなくなるショックが大きかったですね。また、組閣後に再編された候補生たちのリーダーとなり、その重責も重なって、メンタル不調に陥りました」

候補生のときには、必死でレッスンを受け、ほぼ毎日ステージに立ち、ファンとの交流も自分なりに工夫して積極的に行っていた
候補生のときには、必死でレッスンを受け、ほぼ毎日ステージに立ち、ファンとの交流も自分なりに工夫して積極的に行っていた

 メンタル不調から回復するために、猪狩さんはアイドルとしての活動を休止し、2カ月間休養した。しかし、その後、少しずつ劇場公演に参加しながら復帰していく中で行われた2回目の組閣でも落選。それでも諦めずに挑んだ3回目の組閣でも、仮面女子に昇格することができなかった。

 「『できることはすべてした。次こそは絶対に上がれる。これが最後のチャンス』という気持ちで臨んだ3回目の組閣でも名前が呼ばれなかったときの絶望感は、すごかったです。発表が終わったあとにはバックステージで、『なんで?』『何がダメか分からない』と、恥ずかしいほどに取り乱し、泣き叫んでいました」

 そしてこの3回目の組閣の日、猪狩さんは荷物をまとめ、もう戻らないつもりで劇場をあとにした。

 「当時はそのまま、誰にも告げずに辞めてしまおうと思っていたんです。今思うと、本当に最悪なことを考えていたと思いますし、あのままフェードアウトしていたら、一生後悔していたと思います」

 当時の自分を戒めるような表情で、苦しそうに語った猪狩さん。そこまで落ち込んでいた彼女の気持ちを前に向かせたのは、SNSで目にしたファンの言葉と、事務所の人の言葉だった。

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