社会や経済が不安定な今、「自分で決めて行動していく力」は人生において必須のスキル。とはいえ、人生の岐路に立ったときに、何を軸にして決断すればいいのか……。そこでこの連載では、各分野で活躍している人たちに「人生を左右した決断」をインタビュー。今回話を聞いたのは、ライブを中心に活動する地下アイドルグループ・仮面女子の猪狩ともかさん(29歳)。突然の事故で下半身不随となり、リハビリを経て車椅子でステージ復帰を果たした彼女の決断に迫ります。

(上)車椅子3年目の猪狩ともか 仮面女子になれず絶望した日
(下)仮面女子・猪狩ともか 事故からの復帰と卒業後の挑戦 ←今回はここ

1991年12月9日生まれ、埼玉県出身。地下アイドルグループ・仮面女子のメンバー。2018年4月、強風で倒れてきた看板の下敷きとなり脊髄を損傷。下半身不随となるも、懸命なリハビリを経て同年8月に車椅子でステージ復帰。以後、グループの一員として車椅子でアイドル活動を続ける。2021年春ごろをめどに仮面女子を卒業し、個人での活動をスタートさせる予定
1991年12月9日生まれ、埼玉県出身。地下アイドルグループ・仮面女子のメンバー。2018年4月、強風で倒れてきた看板の下敷きとなり脊髄を損傷。下半身不随となるも、懸命なリハビリを経て同年8月に車椅子でステージ復帰。以後、グループの一員として車椅子でアイドル活動を続ける。2021年春ごろをめどに仮面女子を卒業し、個人での活動をスタートさせる予定

事故後もアイドルを辞める選択肢はなかった

 2018年4月11日。ニュースになるほどの強い風が吹く日、猪狩さんは秋葉原にある劇場「仮面女子CAFE」に向かっていた。その途中で、強風で倒れてきた看板の下敷きとなり、脊髄を損傷。下半身不随となった。

 猪狩さんは車椅子生活となることが分かっても、「最初からアイドルを辞めるという選択肢はなかった」という。リハビリを経て、事故から4カ月後にはステージに復帰した彼女の原動力になったものは、何なのだろうか。

 また、今年の春ごろをめどに仮面女子を卒業し、個人での活動をスタートさせる予定の猪狩さんに、卒業後の目標なども聞いた。