本日から始まる新連載、「ハヤカワ五味と本音トークをしてみたら…」。当連載では、起業家、そしてオピニオンリーダーとして活躍するハヤカワ五味さんと、等身大のdoors世代のゲストを招いて、気になるトピックについて語っていきます。第1回は、「バリキャリ」について語り合います。
バリバリ働くキャリアウーマン、略して「バリキャリ」。今や当然のように使われている言葉ですが、皆さんはこの言葉にどういうイメージを持っていますか?
ハヤカワ五味さんを囲んだのは、フリーランスのエシカルコーディネーター・エバンズ亜莉沙さん、社会貢献に向けたグルメアプリを運営するテーブルクロスの取締役CFO・藤岡清香さんのお二人です。
言葉自体には善いも悪いもない、「バリキャリ」は文脈次第
――経歴や肩書を拝見すると、3人とも「バリキャリ」と呼ばれることがあるように思います。もしも人から「バリキャリだね」と言われたら、どう感じますか?
エバンズ 私は海外生活が長かったからか、この対談のお話をいただくまで、バリキャリという言葉を知らなかったんです。海外では、バリキャリに相当する言葉を聞いたことがないですね。
もしも人からそう呼ばれたら、「ちょっと違うかな……」と感じます。私は「バリバリ働いている」という感覚で仕事はしていなくて、働くことは人生の一部、「仕事=ライフ」だと思っているからです。
ただ、バリキャリという言葉自体には善いも悪いもなく、言う側がどういう意味で使い、受け取る側がどういう感情を持つかで、その言葉がポジティブな意味になるのか、ネガティブな意味になるのかが変わってくると思います。
ハヤカワ そうですね。文脈次第で、言葉の印象は大きく違ってきますよね。
私はポジティブな文脈で言われれば、「そうだな」とは思います。でも、言葉が持つイメージは時代と共に変化します。バリキャリという言葉も、初めは女性の社会進出を象徴するポジティブなイメージが強かったのかもしれませんが、今は「何よりも仕事を優先する」という、ネガティブなイメージで語られがちな言葉だと思います。
だから、ネガティブな文脈で言われると違和感はありますね。バリバリ働いている方だとは思いますが、何かを犠牲にしながら働いているわけではないので。
藤岡 私も、自分のことをバリキャリだと思ったことはないですね。というのも、「バリキャリ=大企業で役職を積み上げていく」というイメージを持っているからです。
これまで私は、1つの会社にずっといたわけではなく、起業したりベンチャーに参画したりしながら働いてきました。土日には子どもと遊びながら過ごしているので、人からバリキャリと呼ばれても、あまりピンとこないんです。
ハヤカワ 確かにバリキャリという言葉には、「企業でどんどん昇進していく」というイメージがありますよね。「スキルや経験」を積み上げていくというよりは、「立場や役職」を積み上げていくイメージです。