正社員の平均残業時間は月10時間以下

―― なるほど。ワークライフバランスや待遇の面もお聞きしていきたいのですが、(17)有給の消化率や、平均残業時間はどれくらいですか?

木村 株式会社JTBの総合職ですと、有給の取得率は81.9%。基幹職は87.7%の取得率です。また、平均残業時間は正社員で、1カ月あたり平均9.8時間です。

―― それは少ないですね! 会社として、時間外労働を減らすための取り組みはしているんですか?

木村 ノー残業デーの設定や、会社や部門でそれぞれ会議時間を短縮するなどの取り組みを進めています。また、在宅勤務も推進しています。自宅や定められた場所で仕事ができます。通勤のストレスから解放されて移動時間も省けるため、社員の評判も良いです。

―― では、お給料はどれくらいですか?

木村 給料も会社やコースによって異なりますが、例えば株式会社JTBの総合職ですと、2020年4月入社の初任給は21万円です。地域によって地域給が加算されます。

―― (18)こういった働きやすさや待遇について質問してくる学生さんについてはどう思いますか?

木村 悪い印象は全く持ちません。むしろ、しっかり確認することは素晴らしいことだと思います。長ければ40年近く勤めることになるわけですから、ミスマッチや入社後のギャップをなくすため不明点は解消すべきだと思います。今は、公になっている募集コースだけでなく、社員のリアルな声から情報を得ようとする学生さんが多くて、しっかりしているなと思いますね。私たちも説明会の場では、何でも答えるのでどんどん聞いてください!と言っています

人を楽しませること、楽しむことが好きな社風

―― それは心強いですね。では、(19)JTBはどんな社風だと思いますか?

木村 いろいろな事業を展開していますが、やはり事業の中心は「旅」ですので、人を楽しませることと、自分自身も楽しむことが好きな社員が多いです。また、ダイバーシティあふれる企業風土を構築するため、経営陣を含むグループ全社員の毎日のアクションポリシーを「OPEN・CHALLENGE・FUN!」という3つの言葉で表現しています。外に目を向けていろいろな人とオープンに接していくこと、失敗を恐れずチャレンジすること、お客様に感動を届けると同時に社員自身も楽しむということです。若いうちから意見を言えたり、仕事を任せてもらえたりする社風もこのポリシーから生まれています。

―― なるほど。では今、JTBが置かれている状況や旅行業界の市場については、どうとらえていますか?

木村 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国も観光立国への追い風になるようなさまざまな制度を整備しています。交流人口といわれるインバウンド、アウトバウンドの人口を2020年にはトータルで6000万人、その先には8000万人にするという目標を掲げています。その動きの中で、我々は旅行業界のリーディングカンパニーとして役割を果たしていきたいと思っています。だからこそ、自律創造型社員として、過去にとらわれず新たな価値をどんどん生み出していくことが重要だと感じていますね。