安定ではなくチャレンジ求める人歓迎

―― では、(2)説明会や採用サイトで意識して学生に伝えていることはありますか?

大沼 先ほどもお話ししたように、女性の採用を積極的に進めていますので、女子学生向けの説明会を開催したり、パンフレットを作成したりと、女性が活躍できる会社であることをアピールしています。海外人材の採用にも力を入れていますので、外国籍の人と会えるイベントにも積極的に参加しています。

―― (3)どんな人材に来てもらいたいと思っていますか?

大沼 JR東日本には、さまざまな仕事があります。今は収益の7割が鉄道事業ですが、別部門の収益を伸ばしていこうという計画を掲げていますので、新しいことにチャレンジできる人と一緒に働きたいと伝えていますね。鉄道会社は安定しているからという理由で選ぶ人もいると思いますが、「JR東日本のフィールドを使って何かやってみたい」という意欲のある人を歓迎しています。

―― では反対に、(4)こういう人は入社しても合わないんじゃないかと思うタイプはありますか?

大沼 幅広くいろいろな人に来ていただきたいので、そういう方は特にいません。仕事のフィールドが幅広いので、さまざまなことにチャレンジして、やりたい仕事を見つけていただきたいと思います。

東日本エリアを活性化させたい

―― 実際に携われる仕事の領域にはどういうものがあるのでしょうか?

大沼 学生の皆さんには、大きく分けて3つサービスがあるとお伝えしています。輸送サービスと生活サービス、それにIT・Suicaサービスです。輸送サービスは言葉の通り、電車を動かす事業。

 生活サービスは、エキナカ開発やホテル事業、商品開発など、鉄道以外の収益部門です。地域に施設を造って人を誘致することや、東京都内の利便性を上げるために駅や駅周辺を改良することもこの部門に含まれます。今、農業の6次産業化も進めていて、東北エリアの1次産業で作物を生産して、2次産業の加工、そして流通・販売までをトータルで手掛けています。

採用パンフレットでも幅広いフィールドをアピール
採用パンフレットでも幅広いフィールドをアピール

 IT・Suicaサービスは、Suicaを起点とした各ビジネスです。IotやAiを活用してさらに交通を便利にするため、鉄道以外の交通手段もワンストップで使える「Ringo Pass」というサービスの実証実験などを進めています。

―― 地域との連携が事業の軸のひとつなんですね。

大沼 その通りです。東日本エリアが元気でないと、鉄道が走っていても人が集まりませんので、地域活性化を重要な使命として取り組んでいます。

 鉄道会社の中でも当社は、地方と首都圏エリアの両方でサービスを行っている会社。それに、地方と新幹線ネットワークでつながっていることも強みです。地方の社会的な問題を解決したいという志を持って入社する人もいます。そういう意気込みは大いに歓迎したいですし、若い力に期待しています。