鉄道だけでない、さまざまなビジネスフィールドで事業を行うJR東日本。安定した会社、男性中心というイメージもある一方で、今は女性活躍やチャレンジ精神を重視しているといいます。JR東日本人財戦略部の大沼芙実子さんに新卒採用について気になる質問をぶつけたJR東日本/就活20の質問 鉄道に限らない(上)に続いて、後編では入社後の働き方について聞きました。

上 JR東日本就活20の質問 鉄道に限らない(上)
下 JR東日本/就活20の質問 女性駅員が増加中(下) ←今回はここ

民営化の前は「ほぼ全員男性」

日経doors編集部(以下、――) 鉄道会社は、駅員さんや乗務員の方も含めて男性が多いイメージです。今、社員の男女比はどれくらいですか?

大沼芙実子さん(以下、大沼) 男性が85%、女性が15%です。

―― では、(10)取締役や管理職における女性の比率は?

大沼 2019年4月の時点で、取締役は1人で約5%です。管理職も約5%です。

―― やっぱり女性の割合は少ないんですね。

大沼 そうですね。本格的に女性の採用を始めたのは、JRが1987年に民営化されてからなんです。

―― え! それまでは全員、男性だったんですか?

大沼 1987年当時の女性の比率は0.8%でした。JR東日本は仙台と東京に病院を運営していて、当時の女性社員のほとんどは医療従事者でした。88年に初めて技術職で女性を2人採用。びゅうプラザの女性社員の採用を始めたのが91年で、そこから女性が増えていきました。

 99年に労働基準法が改正されて、女性も深夜帯の22時から朝5時まで働けるようになって以来、本格的に駅や電車内でも女性が働けるようになったんです。そこからの蓄積で、ようやく15%まで増えました。今は新卒で女性を30%採用するという目標を掲げていますので、社員数や管理職の割合も目標値に近づいていくと思っています。

「1999年に労働基準法が改正されて、女性も深夜帯の22時~朝5時まで働けるようになって以来、本格的に駅や電車内でも女性が働けるようになりました」(JR東日本人財戦略部の大沼芙実子さん)
「1999年に労働基準法が改正されて、女性も深夜帯の22時~朝5時まで働けるようになって以来、本格的に駅や電車内でも女性が働けるようになりました」(JR東日本人財戦略部の大沼芙実子さん)